研究課題/領域番号 |
09261217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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研究分担者 |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10192460)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ジスルフィド結合 / アルカリ性ホスファターゼ / Dsb因子 / 呼吸鎖 / 電子伝達系 / タンパク質折り畳み |
研究概要 |
大腸菌のアルカリ性ホスフアターゼ(PhoA)のフォールディングは、ペリプラズム領域においてジスルフィド結合の形成に依存して起こる。PhoAの約2組のジスルフィド結合内、C未端側に位置するものが活性発現に必要であり、N末端側のジスルフィド結合は活性には不必要だがプロテアーゼ耐性桝造の雑得には必要である事を明らかにした。DsbAはthioredoxin様の活性中心を持ちそのジスルフィトを使って標的蛋白質のCysを酸化するが、PhoAの最もN末端側のCys残基をSerに変えると、残りの3つのCysがDsbA依存的に誤った組み合わせのジスルフィド結合を形成すること、およびそれがDsbCによって正しい組み合わせのものに変換されることを見いだした。in vivoにおいては、単純にジスルフィド結合を架けるDsbAと、導入されたジスルフィド結合を正しい組み合わせのものに異性化するDsbCの協同作用によって、初めて蛋白質に正しくジスルフィド結合が導入されることが明らかとなった。DsbAが機能すると、自らのCysは還元され、それは膜琴白質DsbBによって再酸化・リサイクルされる。細胞が呼吸鎖構成成分欠損状態で増殖中にはDsbBがDsbAとの複合体状態として蓄積し、その結果、過剰にあるDsbA分子のほとんどが還元型として蓄積することを見いだした。即ち、DsbA-DsbB系への酸化力は何らかの機構で呼吸鎖電子伝達系を介して供給されること、したがって、非酵素的にも起こり得るジスルフィド結合形成という単純な生化学反応が、細胞内では呼吸鎖にまで繋がるシステムによって支えられている事実が明らかになった。
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