研究課題/領域番号 |
09261222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金谷 茂則 大阪大学, 工学部, 教授 (30273585)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 耐冷菌 / 酵素 / 好冷化機構 / リボヌクレアーゼ H / 枯草菌 / 遺伝子クローニング / 発現 / ホモロジー |
研究概要 |
好冷菌(耐冷菌)は0℃付近でも生育する細菌である。好冷菌(耐冷菌)の生産する酵素は、常温菌の生産する酵素よりは至適温度が低温側にシフトしていると考えられる。このような酵素の低温適応化機構を明らかにすることができれば、好冷酵素の設計法を開発する上で有用な情報が得られると期待される。そこで、本研究では耐冷菌Bacillus psychrophilus由来由来リボヌクレアーゼHIの好冷化機構を明らかにすることを目的とした。耐冷菌(B.psychrophilus)由来RNase HIは枯草菌(B.subtilis)由来RNase HIホモログと一次構造上類似しているという仮定のもとにPCRを行うことにより、耐冷菌由来RNase HIをコードしていると考えられるDNA断片を得た。その配列から予想されるアミノ酸配列は、枯草菌由来RNase HIホモログ及び大腸菌RNase HIとそれぞれ40、36%の相同性を示した。得られた耐冷菌由来RNase HIは、基質結合に重要と考えられている塩基性突出部位の一部が欠失している、αIヘリックスとβDシートの間に2残基の挿入がある、といった点で、枯草菌由来RNase HIホモログに類似している。そこで、耐冷菌由来RNase HIの低温適応機構を明らかにするための比較対象として、枯草菌由来RNase HIホモログの発現と精製を行った。しかし、本蛋白質はin vitroにおいてもin viroにおいてもRNase H活性を示さなかった。この結果、耐冷菌由来RNase HIホモログも活性を示さないことが示唆された。従って、本蛋白質は酵素の低温適応機構を解明する対象としては適さないことが明らかになった。今後は、耐冷菌由来RNase HIIとRNase HIIIの遺伝子のクローニングを試みる予定である。
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