研究課題/領域番号 |
09261242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
芝 清隆 財団法人癌研究会, 癌研究所・細胞生物学, 主任研究員 (40196415)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 試験管内進化 / 構築原理 / タンパク質 / 遺伝子の誕生 / 繰り返し |
研究概要 |
タンパク質の構築原理の問題に迫るアプローチの1つとして、試験管内タンパク質創成系実験を用いた構成的な研究アプローチが考えられる。前述したように、現存するタンパク質・遺伝子の観察からは、「繰り返し」が重要な意味を持つらしいことが示唆される。では、単一の遺伝的ブロック単位を単純に「繰り返す」ことから、タンパク質・遺伝子らしきものが試験管の中で発生するのであろうか?マイクロ遺伝子重合法を用いた方法からこの問題にアプローチした。これは、DNAポリメラーゼがもつDNA連結反応を利用したもので、1対のオリゴヌクレオチドとDNAポリメラーゼを用いたサイクル反応からなる簡単な反応系である。1対のオリゴヌクレオチドは、それらのプライマーダイマーがマイクロ遺伝子配列を再構成するように、互いの3′領域で相補塩基対を形成するようにデザインしておく。オリゴヌクレオチドの3′末端にミスマッチ塩基を付加しておくことが、効率よくMPRを進行させるポイントとなる。サイクル反応の後、マイクロ遺伝子の重合した巨大DNAが得られるが、マイクロ遺伝子の連結部には、ランダムに塩基の欠失・挿入がおこるため、得られたDNAは分子多様性集団としての性質をもつ。すなわち、このようなマイクロ遺伝子重合体から翻訳されるタンパク質は、マイクロ遺伝子のもつ複数の読み枠のコンビナトリアルな重合体産物となる。種々の長さ、組成をもつマイクロ遺伝子を出発材料とし、これらを重合して得られたNDAライブラリー大腸菌の中で産出するタンパク質をいくつか調べた。その中の1つ、クローン320は、CD測定から、2次構造を形成していることが示唆された。「繰り返し」を制約文法にすることによって、自然のタンパク質に似た人工タンパク質が意外と簡単に試験管の中で創発するのかもしれない。
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