研究課題/領域番号 |
09262202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
出村 拓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40272009)
|
研究分担者 |
福田 裕穂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10165293)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 不定胚 / ホメオボックス遺伝子 / CHB遺伝子 / 形質転換 / 子葉 / 胚軸 |
研究概要 |
各CHB遺伝子のセンスまたはアンチセンスRNAを35Sプロモーター支配下で不定胚内に過剰発現させることにより、各CHB遺伝子の機能を検討した。ニンジン胚軸の表皮細胞からの直接的な不定胚形成系を応用して遺伝子導入を行い、胚軸外植片から直接誘導した不定胚(一次不定胚)の形態を観察した。更に、一次不定胚から育てた形質転換幼植物体の胚軸外植片から不定胚(二次不定胚)を誘導し、不定胚形成率と形態を観察した。その結果、以下のことがわかった。 1 CHB1のセンスRNAを過剰発現させた一次不定胚には、子葉の数が多くなる、子葉が巨大になるなど子葉の形態異常が起こった。また、全てのセンス形質転換幼植物体から二次不定胚が誘導されるものの、同様に子葉の形態異常が起こった。CHB1のアンチセンスRNAを過剰発現させた場合、一次不定胚の形態に異常は見られないものの、形成率が低くなった。また、アンチセンス幼植物体の胚軸外植片から二次不定胚を誘導すると、不定胚形成そのもの、あるいは、魚雷型胚から幼植物体への進行が抑制された。これらの結果から、CHB1は不定胚形成の誘導(不定胚形成能の獲得)と不定胚形成後期の子葉の形態形成に深く関連した機能を持つことが示唆された。 2 CHB2のアンチセンスRNAを過剰発現させた一次不定胚には、胚軸が太く短くなるといった胚軸部位の形態異常が起こった。二次不定胚はほとんどが球状胚で停止し、心臓型胚以降の不定胚が形成されなかった。CHB2のセンスRNAを過剰発現させた場合、一次不定胚にも二次不定胚にも形態的な異常は見られなかった。これらの結果から、CHB2が球状胚から心臓型胚への進行過程で機能していることが示唆された。
|