研究課題/領域番号 |
09263210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小布施 力史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
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研究分担者 |
吉川 寛 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70019876)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 染色体 / DNA複製 / フットプリント / 細胞周期 / 出芽酵母 / 分子生物学 |
研究概要 |
1.研究目的:我々はマルチレプリコンを持つ真核生物の染色体複製のモデル系として出芽酵母第六染色体の複製開始点の解析を網羅的に行っている。これまでに、使用頻度や複製開始時期はそれぞれの複製開始領域で異なり、確実な染色体複製を行うために染色体レベルで何らかの制御を受けていることが明らかになってきた。本研究課題は第六染色体上の9つある複製開始領域の複製開始活性を決める因子を明らかにするために、in vivo UVフットプリント法によって複製開始複合体に関わる因子の同定と、各複製開始領域内の必須配列に形成される複製開始複合体と複製開始活性の相関について解析を行った。 2.研究成果:UVフットプリント法により複製開始必須領域に結合するORC複合体をin vivoで解析することに成功した。この解析により、G1期に形成される複製前複合体(pre-RC)の形成に伴いORC複合体と必須配列の結合状態は弱くなること、この結合状態を維持するためにはCdc6およびMcm5の活性が必要であることを明らかにした(論文を投稿中)。また、pre-RCは複製開始と同時に崩壊すること、崩壊にはCdc7キナーゼの活性が必要であることが明らかとなった。このことからpre-RCの崩壊が複製開始の重要なステップであることが示唆された。さらに、pre-RCはS期初期に開始する領域ではG1期の直前にすばやく形成されるが、S期の終期に複製するものはS期の中頃までの長い時間をpre-RCの形成に要することが明らかとなった。複製開始の順序は、pre-RCが形成される時点ですでに決定されていることから、S/M期サイクリンのキナーゼ活性の変化によって直接制御されているのではなく、染色体の高次構造がpre-RC形成のための分子集合の速度あるいはpre-RCの崩壊のためのCdc7キナーゼのaccesibilityを規定する事によって決定されていることが示唆された(論文を投稿準備中)。
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