研究課題/領域番号 |
09264202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西森 克彦 東北大学, 農学部, 助教授 (10164609)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | GDF-9 / TGF-β / C-kit / スティール ファクター / 卵巣 |
研究概要 |
平成九年度 GDF-9遺伝子欠損マウスでは卵胞が発達せず一時卵胞の段階で卵胞の発達が止まること、その卵巣mRNA中でc-kit ligand転写物が5倍程度に増加している現象が見られた。これに対し、growth factorの一種であるc-kit ligand遺伝子に欠陥があるSteel Pandaと呼ばれるmutantマウスで、GDF-9遺伝子欠損マウスと同様の卵胞発育不全が起きることが知られていたが、本研究の第一の目的はSteel Panda mutantマウスを入手し、その卵胞中でのGDF-9遺伝子の発現を観察し、発現に何らかの影響を受けていることを確認することであった。しかし、97年度中には所有者との交渉が前進せず、ミュータントマウスを入手でき図、研究が開始できなかった。幸い、近日中にsteel変異種を入手できる情勢となった。 本研究のもう一つの目的は、単離したGDF-9蛋白を得て、そのレセプターを探索し、このGDF-9の情報伝達経路に関する知見を得ようというものである。筆者は、過去にCHO細胞での発現をマウスGDF-9遺伝子を用いて試みたが、プロテオリシスを受けていない単量体の前駆体産物が細胞膜、細胞質画分に発現していることは確認したものの、産物の培地中への分泌は確認できなかった。そこでTGF-βスーパーファミリィーに属するXenopusのVg-1のように、BMP2やアクチビンβBのプロシーケンスにつなぐことで分泌に成功した例にならい、マウスGDF-9及びヒトGDF-9cDNAをratBMP-2、及びヒトアクチビンβBcDNAの前駆体部分につないだコンストラクトを作成し、この発現ベクターをCV-1細胞、及び293細胞に導入したところ、細胞質中の蛋白に抗GDF-9ペプチド抗血清に反応する産物が見られ、またいくつかのクローンの培養培地上清中に微量ながらも抗血清に反応する物が存在している事を見いだした。検出系の改良など課題は多く残されているが、我々はこの結果よりヒト、及びマウス型の活性型GDF-9蛋白を得ることは十分可能と考えている。
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