研究課題/領域番号 |
09264205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原 孝彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (80280949)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オンコスタチンM / サイトカイン / サイトカイン受容体 / 始原生殖細胞 / セルトリ細胞 / 精巣 / LIF |
研究概要 |
昨年度までの本研究で、OSMがゴナドで発現しゴナド移動後のPGCを増殖刺激すること、OSM受容体はLIF受容体と重複していないこと、OSMは新生マウス精巣でセルトリ細胞のオートクライン増殖因子として作用すること、を報告してきた。上記のOSM特異的な生物活性の分子機序を知るために、マウスOSM受容体ベータ鎖(OSMRβ)のcDNAを新規にクローニングした。それは、LIF受容体ベータ鎖に類似の構造をしていたが、gp130とともに細胞表面に発現させると、OSMに高親和性で結合しLIFには結合しなかった。これで、OSM/LIF受容体についてのマウスとヒトとの違いが分子レベルで証明された。初期PGCに対してはLIFのみ作用してOSMは刺激しないこと、また、新生セルトリ細胞に対するOSM特異的効果は、OSMRβの細胞特異的発現で説明される。LIF・OSMどちらを用いた場合でもPGCを長期培養することはできないが、もしPGC分化に伴い受容体ベータ鎖の消失がおこるならば、OSMRβをレトロウイルスやトランスジェニック法で構成的にPGCに発現させることでPGC長期培養系が可能になるかもしれない。一方、OSM以外にゴナドで発現する新規サイトカインの探索は、発現クローニング法やPCR法ではいずれも成功しなかった。そこで最近開発された、シグナル配列を有する遺伝子産物を酵母でスクリーニングするシグナルトラップ法を、PGCに発現する分泌性蛋白質と膜蛋白質の網羅的クローニングに応用する準備を開始した。モデル系として血管内皮系細胞株を用いて、スクリーニングを行なったところ、高頻度でVCAM-1などの複数の内皮系特異的膜蛋白質をコードするcDNA断片が単離された。PGCは少量しか得られないため、PCRによるLibraryを構築する必要があるが、シグナルトラップ法は次年度の有効なアプローチとして期待できる。
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