研究課題/領域番号 |
09264209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中西 義信 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40172358)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 精子形成 / 細胞培養 / アポトーシス / 貧食 / 細胞接着因子 |
研究概要 |
哺乳動物の精子形成細胞はセルトリ細胞と密に接触しており、この接触が精子分化に必要だと考えられる。また、精子形成細胞の7割以上が精子に成熟する前にアポトーシスを起こし、セルトリ細胞に貧食されると予想されている。これまで研究代表者は、セルトリ細胞による貧食が精子形成細胞表層に露出するホスファチジルセリン(PS)に依存することを示し、また精子形成細胞とセルトリ細胞との接着アッセイを確立した。この研究では、セルトリ細胞のPS受容体および接着因子の同定を行った。 1)精子形成細胞の貧食を誘導するセルトリ細胞PSレセプターの同定 食細胞におけるPSレセプターの候補であるクラスBスカベンジャーレセプタータイプI(SR-BI)のmRNAがセルトリ細胞に存在することがわかったので、ラットセルトリ細胞から作製したライブラリーよりSR-BIcDNAをクローニングした。このcDNAをセルトリ細胞由来の培養細胞株に導入したところ、PSリポソームへの結合活性およびPS依存的な精子形成細胞の貧食活性がともに増大した。よって、SR-BIは貧食を誘導するセルトリ細胞のPSレセプターであることが示唆された。 2)精子形成細胞とセルトリ細胞の接触を規定する細胞接着因子の同定 セルトリ細胞への接着活性を指標とした発現クローニングにより、ラット精子形成細胞に存在する接着因子のcDNA候補を得た。このcDNAはアクロソームに存在するTpx-1と呼ばれる蛋白質のラットホモローグをコードしていた。ラットTpx-1は243アミノ酸残基から成り、N末側にシグナルペプチド、C末側にCysに富む配列を有していた。セルトリ細胞への接着活性には、シグナルペプチドを含むN末側102個のアミノ酸で十分でありCysに富む領域は必要ではなかった。以上の結果より、Tpx-1が両細胞の接触を規定する接着因子であることが示唆された。
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