研究課題/領域番号 |
09264218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
阿部 訓也 熊本大学, 医学部, 助教授 (40240915)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 始原生殖細胞 / cDNA / マウス / FACS |
研究概要 |
[目的]生物を構成する細胞の中で生殖細胞は唯一、次世代に受け継がれると言う意味で不死であり、また全能性を有するという点で、非可逆的な分化を行う体細胞とは大きく異なり、また始原生殖細胞(PGC)は生殖系列の成立、維持の機構を考える上で非常に重要な細胞である.しかし、PGCというごく少数の細胞を単離し、直接分子レベルの解析対象とするのは通常の手法では大変困難であった.そこでそのために必要な諸技術を開発し、生殖系列発生の各ステージでどのような遺伝子が発現するかという基本的知見を得ることを第一義的な目標とする. [成果]PGCのマーカーであるアルカリフォスファターゼ遺伝子をlacZ遺伝子で置換したTNAP(組織非特異型アルカリフォスファターゼ)ノックアウトマウスを用い、lacZ発現を指標としてPGCを分離、純化するFACS-gal法を確立し、胎生11.5-15.5日からのPGCの純化に成功した.このPGCを利用することにより、テロメラーゼ活性の測定やPGCゲノムDNAのメチル化状態等を直接調べることが可能になりPGCという細胞の特質解明の糸口をつかむことができた.またPGCよりRNAを抽出してcDNAを合成し、ローンリンカー法によりcDNA集団の増幅を行った.このcDNAを材料に既知遺伝子のPGCでの発現を調べることが可能になった.さらにこのcDNAを用いてライブラリー作製を行った.これらのライブラリーはPGCにおける遺伝子発現プロファイルを解析、記述するために有用と考えられる.その解析の一端としてこれまで13.5日胚の雌雄のPGCそれぞれのライブラリーから4000クローンをピックアップし、2800クローンの配列決定を行なった.このうち有効な配列情報の得られた1555クローンに関してホモロジー検索を行った.その多くはESTクローンを含め既知の遺伝子と相同性を示した.また雌雄で出現頻度に差異のあるクローンも複数認められた.
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