研究課題/領域番号 |
09265214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
上田 均 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60201349)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脱皮 / 変態 / 標的遺伝子 / 遺伝子発現制御 / エクダイソン / コアクチベータ- |
研究概要 |
(1)FTZ-F1遺伝子の発現制御の解析 FTZ-F1遺伝子発現制御領域内のDHR3結合部位に変異を導入し、この発現制御領域とLacZ融合遺伝子を有するtransgenic fly系統を作成し、LacZ遺伝子の発現パターンを解析した。変異型融合遺伝子の発現パターンは、野生型の発現制御領域を持つ融合遺伝子の発現パターンと比べると、発現時期に違いは観察されなかったが、発現レベルが著しく低下した。このことから、DHR3は、positiveに働く因子のひとつであると考えられた。次に,FTZ-F1遺伝子転写開始点付近の様々なDNA断片とLacZ融合遺伝子を有するtransgenic fly系統を作成し、LacZ遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、転写開始点の上流-2.4〜-0.7kbを有する融合遺伝子では、エクジソンの濃度が高い時期からの発現が観察され、-0.7〜0kbあるいは-3.7〜2.4kbにエクジソン高濃度下でnegativeに制御する領域があることが判明した。 (2)FTZ-F1とそのコアクチベータ-の発現パターンの解析 BmFTZ-F1と、そのコアクチベータ-であるMBF1とMBF2の抗体を用い、カイコの4齢から5齢期の絹糸腺におけるこれら3つの因子の存在量および細胞内局在を調べた。BmFTZ-F1は、4齢脱皮約半日前のスピクルステージD3からあらわれ、脱皮後速やかに消失した。MBF1の存在量に大きな変化がみられなかったが、MBF2は、4齢始めからスピラクルステージD3まで存在し、その後速やかに消失し、脱皮後再び現れた。BmFTZ-F1は、核に局在したが、MBF1とMBF2は、通常はほとんど細胞質に局在し、スピラクルステージD3の時期にのみ核に局在した。以上の結果、MBFの存在量および細胞内局在は、眼期内で時期的に制御されており、脱皮過程において何らかの意味がある可能性が示された。
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