研究課題/領域番号 |
09266201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
室伏 擴 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70101128)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Xenopus卵 / DNA複製 / DNA untwisting因子 / SSRP1 / Cdc68 / p97ATPアーゼ |
研究概要 |
DNA Untwisting/Unwinding Factor(DUF)は、二重鎖DNAに負のひねりを加え、かつ二重鎖を巻き戻すことによって、in vitroでDNA複製を開始させる因子として、筆者らによってXenopus卵抽出液から単離された。DUFは、87kDaと140kDaとの2種のサブユニットから成り、前者はマウスT160(V(D)J組換えのシグナル配列に結合する因子)およびヒトSSRP1(シスプラチンによって修飾されたDNAに結合する因子)と高い類似性を有し、後者は、出芽酵母のG1期における遺伝子発現制御に関わるCdc68pと約30%の相同性を持つことを明らかにした。本研究では、Xenopus卵抽出液中でDUFが精子核に取り込まれる時期とDNA複製との時期の関係について調べた。さらに、Xenopus卵抽出液中に、DUFと相互作用する因子を探索した。 (1)Xenopus卵抽出液に除膜した精子核を加えて、核形成、DUFおよびライセンシング因子であるMCMタンパク質の核への取り込み、また核におけるDNA複製の時期について検討した。その結果、MCMタンパク質が核形成直後に核に取り込まれるのに対し、DUFはDNA複製直前に核に取り込まれることがわかった。 (2)抗-DUF140抗体を用いて、Xenopus卵抽出液中にDUFと結合する因子を探索したところ、分子量97kDaの因子が見いだされた。マイクロシークエンシングの結果、この因子はp97ATPアーゼであることがわかった。このATPアーゼは細胞質および核に存在し、細胞質では膜融合に関与することがわかっていたが、核内での機能は不明であった。DUFとp97ATPアーゼが相互作用することから、このATPアーゼがDUFとともにDNA複製に必要なDNAの構造変化に関与する可能性が示唆された。
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