研究課題/領域番号 |
09267209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東江 昭夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90029249)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プロテアソーム / 蛋白質分解 / ユビキチン / 出芽酵母 / 2-hybrid / 細胞周期 |
研究概要 |
出芽酵母の26Sプロテアソームのサブユニットの一つ、Sun1、を餌に用いた2-hybrid法により分離した遺伝子をLES1と命名した。les1欠失変異体は温度感受性を示した。LES1は線虫にアミノ酸配列上のホモログがあったので、その線虫遺伝子のcDNAをクローニングし酵母で発現させたところles1変異を相補した。野生型酵母から26Sプロテアソームを精製した。抗Les1抗体は26Sプロテアソームの位置に溶出される蛋白質と反応した。さらに、26Sプロテアソーム画分を抗20Sプロテアソーム抗体で免疫沈降すると、Les1が共沈し、抗Les1抗体で免疫沈降すると20Sプロテアソームと既知の26Sプロテアソームサブユニットが共沈したので、Les1は26Sプロテアソームのサブユニットであると結論した。Les1欠失株の細胞抽出液をグリセロール密度勾配遠心で分画すると許容温度で生育したles1株は26Sプロテアソームを微量にしか含まず、さらに、Sun1サブユニットが26Sプロテアソームに取り込まれないことが分かった。この結果から,Les1の作用として、Sun1あるいはさらに未知のサブユニットを26Sプロテアソームに連れていく働きを持つと同時に、26Sプロテアソームの安定維持に働く因子であると考えられる。les1欠失株をG1期後期にアレストし37度にリリースするとこの温度下でもほぼ野生型と同じ速度でSic1を分解した。一方、Clb2の分解は遅かった。この結果はles1変異株が高温でG2アレストを起こすことと一致する。今後、さらにLes1の作用を調べることにより、26Sプロテアソームの構造形成の仕組みやプロテアーゼ活性の調節機構に関する理解を深めることができると期待される。
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