研究課題/領域番号 |
09267225
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牟田 達史 九州大学, 医学部, 講師 (60222337)
|
研究分担者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助教授 (90183037)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | プロテアーゼ / 異物認識 / 体液凝固 / β-グルカン / カブトガニ / 真菌 / 前駆体 / 生体防御 |
研究概要 |
節足動物の一種であるカブトガニの血球細胞内顆粒には、感染菌表層物質に応答して活性化する体液凝固因子が存在する。これらの因子は、血球細胞の活性化にともなって体液中へと放出され、グラム陰性菌のLPSや真菌の(1→3)-β-D-グルカンなどの存在下、プロテアーゼ前駆体の連続的な活性化をともなうカスケード機構を介して、速やかに体液のゲル化を引き起こす。この体液のゲル化は、止血のみならず、感染菌の被包化に機能する。 我々は、この系の解析の過程で、LPS、β-グルカンに反応して自己触媒的に活性化するプロテアーゼ前駆体、Factor C、Factor Gを発見した。このうち、β-グルカン応答性をもつFactor Gの活性化機構について、これまでに以下の知見を得た。 Factor Gは1ng/ml以下の(1→3)-β-D-glucanによって両サブユニットともに限定水解を受けつつ活性化され、活性型セリンプロテアーゼへと変換される。この際、glucanとFactor Gの濃度比が活性化に重要であり、高濃度のglucan存在下では活性化はかえって阻害される。また、Factor Gの活性化には、ある一定の長さ以上のβ-グルカンが要求され、含まれるglucoseが7個以下の短いβ-グルカンは、Factor Gに結合するものの活性化能はない。さらに、この短いβ-グルカンは、長鎖β-グルカンによるFactor Gの活性化を阻害することが明らかになった。以上の結果より、Factor Gの活性化は、1分子のβ-グルカン上で複数のFactor G分子が相互作用することによって惹起されると考えられる。
|