研究課題/領域番号 |
09267236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田中 弘文 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30146899)
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研究分担者 |
安田 秀世 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40111554)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 哺乳動物細胞 / 細胞周期 / サイクリン / ユビキチン / 蛋白質分解 |
研究概要 |
細胞周期のM期の終了にはサイクリンBの分解に依存したMPFの不活性化が必要であり、サイクリンBはM期中期から後期の移行期にユビキチン化に依存したプロテアソーム系を介して分解される。一般に蛋白質のユビキチン化にはユビキチン活性化酵素(E1)、運搬酵素(E2)、リガーゼ(E3)の3種の酵素が必要であるが、E2-C(clam),UBCx(xenopus),hE2-C/UbcH10(human)がサイクリンB特異的E2としてクローニングされ、またサイクロソームあるいはAPC(anaphase promoting complex)と呼ばれるcdc16/cdc27を含む沈降定数20Sの複合体にE3活性が存在することが示された。しかしながら哺乳動物の体細胞分裂時におけるサイクリンBのユビキチン化については依然不明の点が多い。そこで先ずhE2-C/UbcH10に対する抗体を作製し、細胞周期における蛋白質の変動を検討した結果、UbcH10は細胞周期のどの時期でもほぼ同じ量が発現している事が明らかとなった。また、細胞内ではそのほとんどが細胞質画分に存在し、塩で抽出可能なクロマチン画分にも少量存在した。次に、Two-Hybrid法によりhE2-C/UbcH10と相互作用する蛋白質の単離を試みた。マウスlymphoma cDNA libraryから得られた2個のクローンは共に同じく202個のアミノ酸からなる蛋白質をコードし、そのC末にはp53に対するE3であるE6-APから見い出されたHECTドメイン様配列が存在した。さらに、5'RACE法によりHeLa細胞からヒトの全長cDNA(H10BH:UbcH10 binding protein with HECT-like domain)を単離した。H10BH蛋白は、UbcH10と結合するだけでなく、サイクリンBならびにcdc27とも結合した。さらに、サイクリンBのユビキチン化の系(HeLa細胞の抽出液存在下)にH10BHを発現させたSf9細胞の抽出液を添加すると、サイクリンBのユビキチン化が促進された。以上の結果からH10BHがサイクリンBに対するE3である可能性が示唆された。
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