研究課題/領域番号 |
09267247
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
桃井 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第5部, 室長 (40143507)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カスパーゼ3 / レチノイン酸 / P19EC / ワルトマニン / 神経細胞死 / アポトーシス / 切断部位抗体 |
研究概要 |
P19EC細胞はレチノイン酸による神経細胞分化の過程で多くの細胞がDNA断片化を伴う細胞死をおこしたことを見い出し、P19EC細胞のcDNAライブラリーより二つのマウスカスパーゼ3と7(CPP32とMch3)をクローニングし、神経分化過程での細胞死はカスパーゼ3様プロテアーゼの活性化が原因であることが明かにしました。また、カスパーゼ3はマウス10.5日胚のDRGなどの抹消感覚神経細胞に強く発現すること、また血清、NGFの除去によりカスパーゼ3様プロテアーゼが活性化され細胞死することを見い出しました。さらに、bFGFはカスパーゼ3様プロテアーゼ活性を抑制し細胞死を抑制するとともに、Pl-3Kの阻害剤であるワルトマニンはカスパーゼ3様プロテアーゼの活性化を促進することを見い出し、神経細胞死をもたらすカスパーゼ3の活性化はPI-3Kにより制御されていることが明かにしました。 また、マウス発生過程で生じる多くの神経細胞死にカスパーゼ3がどの段階関与しているかはあきらかでありません。そこで、カスパーゼ3の活性化がプロセッッシング酵素により切断されることが必須であることから、p17とp12の切断部位に特異的な抗体を作成し、免疫染色により組織切片上でカスパーゼ3の活性化を検討しました。その結果、カスパーゼ3の活性化は発生過程でのアポトーシスがおこる場所として有名な指間、小腸上皮に見い出されるだけでなく、14.5日胚のDRG、10.5日胚の脳神経上皮細胞に見い出され、アポタックによる細胞死の検出結果と一致しました。これらの結果ははじめて、カスパーゼ3が実際のアポトーシスでの関与を明らかにしたものです。
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