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感覚誘導性運動における大脳運動前野腹側部と背側部の機能分担

研究課題

研究課題/領域番号 09268204
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関弘前大学

研究代表者

蔵田 潔  弘前大学, 医学部, 教授 (30170070)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード大脳皮質 / 運動前野 / 感覚運動統合 / 機能分担 / 準備状態 / 座標変換
研究概要

大脳皮質の運動関連領野のひとつである運動前野は、少なくともふたつの領域、すなわち背側部と腹側部から構成されていることが示唆されており、それぞれ感覚誘導性運動に重要な役割をしていることが明らかにされつつある。これら領域の機能分担をより明らかにするため以下のような実験を行った。サルにはいずれの手を動かすべきかの指示信号を与え、数秒の準備期間の後、目標点の呈示を契機として到達運動を行わせた。この課題遂行中に運動前野背側部・腹側部・一次運動野における単一ニューロン記録を行った。指示信号呈示後の準備期間では、音刺激に応答して持続的に発火活動の変化するニューロン(準備関連活動)は、腹側部より背側部に著明なものが数多く存在することが明らかになった。また背側部における準備関連活動は左右手運動のどちらか一方、あるいは両方の運動に関連していた。一方、契機信号呈示から運動開始までの反応時間においては、腹側部に著明な運動関連活動が存在することが明らかになり、しかもその活動が視覚座標から運動座標への空間情報の変換過程を反映していることが示唆された。さらに、この課題遂行中に運動前野腹側部および背側部へのムシモルの微小注入をそれぞれ行ったところ、背側部への注入時には、音刺激に応答して動かすべき左右の手を選択する際に著明なエラーが観察されたが、いったん正しい手が選択されると、その後の到達運動はプリズムの有無にかかわらず、正確に遂行された。一方、腹側部への注入時には、特にプリズム装着時の到達運動時に、あたかもプリズム適応が失われたかのようなミスリーチが観察された。しかし、左右の手の選択にはほとんどエラーは観察なかった。これらの知見は、運動前野背側部が特に条件付き運動課題における準備状態の形成に、また腹側部は空間的に与えられた感覚情報を運動司令へと変換する過程にそれぞれ選択的役割を果たしていることを示唆するものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kurata,K: "Quantitative analyses of thalamic and corfical origins of neurons projecting to the rostral and caudal forelimb motor areas in the cerebral cortex of rats." Brain Research. (印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 蔵田 潔: "運動前野背側部と運動準備活動" 神経研究の進歩. 42. 59-67 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 蔵田 潔: "運動制御と運動学習" 協同医書出版, 417 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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