研究課題/領域番号 |
09268217
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青柳 富誌生 京都大学, 工学研究科, 助手 (90252486)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | oscillator / neural network / associative memory / temporal coding / sparse coding / storage capacity / statistical mechanics |
研究概要 |
本研究の目的は、近年注目されているニューロン間のスパイクのタイミングに情報をコードする可能性を探求し、その能力を理論的に評価することである。振動子ニューラルネットが周期的発火を示すニューロンの力学系から理論的に導出可能である点に注目し、ここではその典型的な振る舞いを解析した。具体的には、タイミングまで含めた発火パターンの連想記憶課題に関して、その能力を解析的に評価した。とくに、スパースコーディングとの関連を調べるために、モデルを非発火状想を含むように拡張した。 現在までに得られた代表的な結果は次のようなものである。 ・想起過程のダイナミクスの解析により、引き込み領域の広さ等が評価できた。自己想起モデルにおいては、ノイズ(想起に寄与しない楊の成分)の時間相関を理論に取り入れることが、正しい想起過程を記述するために不可欠である。相互想起の方が自己想起よりも5倍以上も記憶容量が大きい。(従来モデルは約2倍) ・結合を破壊(対林・非対林切断)していく際の性能の低下が、従来モデルよりも少なく、かつ引き込み領域も十分に広い。これはタイミングという微妙な情報を埋めこんだにも関わらず、切断に対する耐性はより高いことを示唆しており興味深い。 ・モデルを発火・非発火まで含めるように拡張した場合には、発火のニューロンの割合が少なくなればなるほど、記憶容量α_cが増大する。これはスパースコーディングの条件下でも、発火タイミングのコーディングが有効であることを示唆する。 これらの結果はいずれも数値シミュレーションとよく一致し、理論の正当性を支持している。結論として、スパースコーディングは発火タイミングまで考慮した場合でも従来モデルと同様の有効性を示すといえる。
|