研究課題/領域番号 |
09268231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上田 聖 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40094411)
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研究分担者 |
大森 義男 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80240951)
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80191899)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 大脳連合機能 / PET / diacylglycerol / phosphoinositide / chemical turnover potentiation / metabotropic receptors / ionotropic receptors |
研究概要 |
我々は細胞内シグナル伝達系に属するG-蛋白と結合したPI turnoverを生体で知るためにPositron Emission Tomography(PET)を用いて体外測定できる方法を開発してきた。最近、この方法を用いた一連の研究において、脳に起こった損傷が、非損傷部位の大脳皮質連合野に極めて限局した強いPIturnoverの増強現象を誘発することを認めた。そこでメタボトロピック増強現象を検証し、大脳連合機能メカニズムとの関連を検討した。結果は、(1)脳損傷を受けたヒト大脳のPET imageでは受傷部位とは離れた正常皮質のきわめて限られた領域に^<11>C標識放射能活性の集積(radioactive spot)を認めた。その放射能活性は、大脳皮質全体の3SDを越えた極めて強い値を示した。(2)脳損傷により誘発されたradioactive spotは損傷部位の対側皮質連合野に出現する傾向がみられた。PETではradioactive spotの形は局所的であり、円形に見える。これは非常に小さな領域での取り込みを反映した所見であると考えられた。実際、これは以下に述べるラットの追試実験からも支持された。ラットを用いたdenervation modelでも同様な現象を認めることが出来た。さらにラットを用い電気生理学的なlong-term potentiation(LTP)所見との関連を調べた。この結果、LTPを誘発すると極めて強度な^<11>C標識DAGの取り込み現象を認め、それは、denervation modelで得られた所見と類似していた。本報告ではPI turnoverを直接ヒトで画像化した結果として、chemical potentiationという現象が明らかになった。すなわち脳損傷後の機能回復に非損傷部位の大脳皮質がおおきく関与し、特に連合野におけるシナプス伝達機能の修飾に関与していると考えられる。またLTPはグルタミン酸受容体のイオンチャンネル型(ionotropic)とメタボトロピック型(metabotropic)に依存しており、Ca^<2+>の流入とそれに続く一連のセカンドメッセンジャーの反応で成りたつ。この考えからchemical potentiationとLTPの関係をさらに明らかにすることは今後の重要な課題である。そしてPI turnoverの画像化は連合機能を解明する有力な手段となりえる。今後は実験動物でchemical potentiationの出現を調べ、その場所の遺伝子レベルの解析により、神経の回路形成に深い関わりをもつ液性因子を見つけることを期待している。
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