研究課題/領域番号 |
09269226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30012777)
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研究分担者 |
土生 芳樹 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (80266915)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 可動遺伝因子 / トランスポゾン / 不安定変異 / 花の絞り模様 / 吹掛け絞り変異 / アントシアニン / 色素生合成系遺伝子 / アサガオ |
研究概要 |
染色体上を転移するトランスポゾンなどの可動遺伝因子は、挿入、転移、脱離、重複など種々のDNA再編成を引き起こして遺伝的不安定性の一因となり、遺伝子の発現調節に影響を与え得る遺伝因子の総称である。そのような可動遺伝因子によって引き起こされる不安定変異(unstable mutation)の解析を江戸時代に園芸化され、約20種の不安定変異を含む多数の変異体が分離されているアサガオで行った。本年度は主に淡黄色地の紅色のスポットやセクターなどの絞り模様と共に紅色の斑点模様を形成させるアサガオの不安定変異「吹掛け絞り」(speckled)の同定を試みた。 「吹掛け絞り」変異体とC-1変異体の交雑後代の古典遺伝学的解析により、「吹掛け絞り」の模様形成は、劣性ホモの不安定変異「吹掛け絞り」に優性の遺伝因子speckled-activatorが働くことが必要であることを明らかにした。さらに、この劣性の不安定変異「吹掛け絞り」はアントシアニン色素生合成系のCHI遺伝子のイントロン内にTpn2と名付けたトランスポゾンが挿入された構造であることも明らかにした。新たに得られたトランスポゾンTpn2の構造解析の結果、Tpn2は既に我々により「雀斑」系絞り花のアサガオの不安定変異より見出されていたトランスポゾンTpn1類縁のEn/Spm系の非自律性因子であることも明らかとなった。このことは、不安定変異「雀斑」で見出されたトランスポゾンTpn1も不安定変異「吹掛け絞り」のトランスポゾンTpn2も共にアサガオゲノム上に存在する類縁の自律性因子の作用により転移脱離することを強く示唆している。また、CHI遺伝子のイントロン内にはTpn2以外にもトウモロコシのMu関連の非自律性因子も挿入していた。
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