研究課題/領域番号 |
09270217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森山 芳則 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10150658)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | マラリア原虫 / 抗マラリヤ作用薬 / シクロプロジギオシン / V-ATPase / 食胞 / 酸性pH |
研究概要 |
姫工大の平田ら海洋細菌から単離したシクロプロジギオシンに極めて強力な酸性環境を解消する(オルガネラ内pHを中性化する)作用とともに抗マラリヤ作用があること見いだした(EC50=10nM)。マウスを用いた感染実験(25mg/kg、一日一回、i.p.投与)において、ネズミマラリヤの感染率が低下したが、投与を止めると、感染率は再び増加した。マラリヤ原虫が感染した赤血球とシクロプロジギオシンを保温すると、この薬剤が原虫内へ蓄積する様子がイメージインテンシファイヤーを用いて観察できた。以上の観察から、マラリヤ原虫薬の標的分子としての液胞型ATPaseと食胞機能関連蛋白および液胞機能の解析を開始した。まず、V-ATPaseやNEM-sensitive fusion protein(NSF)等の食胞関連蛋白のマラリヤ原虫における局在性を組織化学的手法ならびに免疫電子顕微鏡法により調べた。V-ATPaseは食胞以外に多数の空胞にみられるとともに、原虫を取り囲むparasitophorous vacuoleにも存在することが明らかとなった。この膜は原虫の栄養吸収や抗マラリア剤の透過に重要であることが推定されており、これらの過程にV-ATPaseが関与することを示唆している。現在、この膜機能に焦点を合わせ、多重蛍光測定装置により、食胞内のpH,PCa^<2+>等のイオン環境を測定する実験系を確立することを試みている。
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