研究課題/領域番号 |
09270226
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京理科大学, 理学部, 助教授 (50195781)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 抗マラリア剤 / キノリン / キナゾロン / アミノアルコール / ライブラリー |
研究概要 |
本年度は、抗マラリア剤として有望視されているキノリン誘導体、キナゾロン誘導体、アミノアルコール誘導体などの含窒素化合物に着目し、それらの化合物のライブラリー構築と、目的の多種類化合物を化学合成するための方法論、合成手法の開発を行った。なお、合成した化合物は、岡山大学薬学部綿矢有佑教授のグループによって活性テストが行われた。 1.多種類化合物群合成にはそれに適した有機反応がある。例えばいわゆる直線型の合成は、一段階でも収率の悪いステップがあると全体の収率が大きく低下するため、多種類化合物群合成には適さない反応である。一方、一挙に三成分、四成分を結合させる反応は、多種類化合物群合成に適した反応と言える。筆者らは、アルデヒド、アミン、オレフィンの三成分縮合反応によるキノリン、ピリジン類の合成反応を開発し、得られた化合物の抗マラリア活性を調べた。その結果、アミノアルコール骨格を有する一連の化合物群が抗マラリア活性を有することを見いだした。 2.より広範な多種類化合物群合成法を開発するためには、個々の反応を円滑に行うための新規高分子試薬の開発が極めて重要である。特に、新規化合物の基本骨格を構築するための炭素-炭素結合生成反応に着目し、これを実現するための新規高分子試薬の開発を行った。具体的には、高分子固定化シリルエノールエーテルを開発し、これを用いる種々のアミノアルコール合成への適用を行った。これらの化合物中には上述したように抗マラリア活性を有するものが見い出されており、現在周辺化合物の合成によるさらなる活性の向上を目指して検討を行っている。 3.現在行われている固相合成では、反応基質を何らかの形で高分子上に固定化して最後に高分子から切り出す手法が取られている。これとは逆に、触媒を高分子上に固定化すれば原理的にはろ過のみで生成物を得ることができ、より一層効率のよい合成手法を実現することができる。本年度は、新しい高分子触媒の開発を行い、全く新しい手法として「マイクロカプセル化」を見いだした。
|