研究課題/領域番号 |
09270227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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研究分担者 |
柏村 信一郎 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00185761)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40236914)
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60241171)
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60111043)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | P.berghei / 肝炎 / IL-18 / IL-12 / NK / Th1 |
研究概要 |
Plasmodium berghei(P.berghei)感染により誘導される肝炎のエフェクター機構を解析した。P.bergheiの感染は、1×10^6個の感染赤血球をマウスにipした。感染7日目には肝実質細胞のDNA断片化と血清GOT、GOPの上昇が認められた。また血清中には高濃度のIL-18が検出された。肝内リンパ球では、CD4^+NK1.1^+T細胞が消失し、NK細胞とCD3^+IL-2Rβ^+T細胞が増加していた。感染マウス肝T細胞はTh1型に分化していた。また、肝NK細胞はYAK-1細胞に対して強い傷害活性を示した。肝NK細胞は著しくPerforinの発現を亢進していた。以上の結果から、P.bergheiに感染したKupffer細胞から産生されたIL-12とIL-18が、肝内の免疫学的環境をTh1活性優位へ移行させ、また肝NK細胞を活性化させることが、肝細胞障害の誘導に重要な役割を果たしていることが示唆された。次にIL-18がTh1-NK細胞にFasLやPerforinといった細胞傷害分子を誘導して肝炎をおこすのではないかと考えた。予想とは反して抗IL-18を投与すると肝細胞傷害はむしろ悪化し、生存期間も短縮した。このことからIL-18は肝炎の発症に関与する可能性は低くなった。IL-18はむしろ生体防衛的に作用することが示唆された。外来性にIL-12/IL-18を感染時からマウスに投与すると著明な生存延長効果があることから、感染初期においてIL-18が感染防御に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。一方、抗IL-12抗体あるいは抗IFNγ抗体を投与すると、P.berghei感染で誘導される肝炎は著明に抑制された。また、IFN-γ遺伝子ノックアウトマウスでは肝炎の程度は軽く、生存期間は著明に長いことから、IFNγが肝細胞傷害に関わることが示唆された。おそらくKupffer細胞を刺激してTNFαを産生して肝細胞傷害をおこすのではないかと推測している。しかし、IFNγの産生を誘導するIL-18を中和すれば憎悪し、何故IFNγを直接抗体で中和すれば延命効果が認められるのかは不明で、現在検討中である。
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