研究課題/領域番号 |
09271224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
水落 次男 東海大学, 工学部, 教授 (90133149)
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研究分担者 |
中田 宗宏 東海大学, 工学部, 助教授 (00266371)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 自己免疫病 / IgG / 糖鎖構造異常 / 糸球体腎炎 |
研究概要 |
我々はこれまでに、慢性関節リウマチ(RA)患者のIgGでガラクトース(Gal)欠損糖鎖が著しく増加するという糖鎖構造異常現象を見いだしている。本研究では、このIgG糖鎖構造異常現象の自己免疫病発症における意義を明らかにするために、健常マウスに投与すると自己免疫病を発症させることができるMRL/Iprマウス由来の病原性モノクローナルリウマチ因子IgG3(6-19)分子をモデルとして用い、IgGの糖鎖構造異常と病原性との関連について詳細に検討した。まず、γ3鎖とκ鎖で構成されるIgG3(6-19)のH鎖とλ1鎖で構成される2種のIgGを、λ1鎖産生細胞であるJ558L細胞に6-19H鎖の遺伝子を導入する方法と6-19産生細胞とJ558L細胞を細胞融合させる方法で作製した。これら2種のIgGが同一の蛋白質部分を有することを確認後、その病原性を詳細に調べた結果、細胞融合法を用いて作製したIgG(L8D)は糸球体腎炎をマウスに発症させたが、遺伝子導入法を用いて作製したIgG(6-19J)は病原性を示さなかった。そこでこれら2種のIgGの糖鎖構造を6-19IgGとともに詳細に解析した結果、病原性を示したIgG(L8D)は6-19IgGと同様にGalを欠損するという糖鎖構造異常を起こしていたが、病原性を示さなかったIgG(6-19J)にはGalが高度に付加しており糖鎖構造異常は認められなかった。これらの結果は、糖鎖構造異常がIgG3分子に病原性を付与していることの直接的証拠であるといえる。また、L鎖の置換によってリウマチ因子活性を失っても糖鎖異常を伴ったIgG3であれば病原性を示したことから、抗原抗体反応が病原性の発現に必ずしも必要ではないことも判明した。さらに、IgG3の糖鎖構造異常が補体系を活性化するマンノース結合蛋白質を介して病態形成に関与している可能性も示唆された。
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