研究課題/領域番号 |
09272208
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅野 純夫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60162848)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1997年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | cDNA / 完全長 / ライブラリー / ゲノムプロジェクト / mRNA / 転写開始点 / 逆転写酵素 |
研究概要 |
本年度は、発現ベクターpME18S-FL3(Genbank accession number AB009864)をベクターに、完全長cDNAライブラリーを作成した。作成したライブラリーは、ヒトが、培養細胞5種、正常組織7種、腫瘍組織3種の計15種。マウスが、正常組織8種で合計23種となっている。これらのライブラリーの完全長率は50%-80%の間に分布している。完全長率を決める最大の要因は、作成に使用するpolyA+RNAの質である。一般に、培養細胞由来のものが良く、組織由来のものは悪い。特に、腫瘍組織は壊死部分を含むことが多く、完全長率が悪かった。培養細胞でも、広範にapoptosisを起こしたようなものは良くない。オリゴキャップ法は本来この影響を受けないはずなので、完全長率がpolyA+RNAの質に依存する理由は現在のところ不明である。現在までに、ヒト回腸粘膜由来の完全長cDNAライブラリーkaiaより、約3100クローン、その他のヒト由来ライブラリーより1500クローン、計4600クローンの1パス塩基配列決定を行った。データ解析を行ったkaiaの2000クローンにつき報告する。既知のものとホモロジーを示すものが49%を占め、このうち、57%が既知の5'端と一致するか、それより長いもの(full)であった。ESTのみとホモロジーのあったものが28%、何等の遺伝子ともホモロジーを示さないもの(new)は23%であった。クローンの重複度は2000クローン配列決定した時点で約1.7である。ホモロジーを見出した既知ヒト遺伝子のmRNAの長さの分布から、3000塩基長以下のmRNAの完全長cDNAクローンが80%を占めることがわかる。しかし、5000塩基長、あるいはそれ以上のものの完全長cDNAクローンも存在した。このことから、予想と異なり、4000塩基長より長いmRNAに対応する完全長cDNAクローンもこのライブラリーから分離可能であるといえる。
|