研究課題/領域番号 |
09273209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010082)
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研究分担者 |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
加納 和孝 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70111507)
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00260480)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | アンドロジェン受容体 / ハーダー腺 / ゴールデンハムスター / 遺伝子発現調節 / アンドロジェン阻害剤 / 非侵襲的探索 / ADG / 薄層クロマトグラフィー |
研究概要 |
ゴールデンハムスターのハーダー腺は脂質組成に顕著な雌雄差が見られる。雌の腺はiso型及びanteiso型の分枝鎖脂肪酸を含むが、雄は直鎖のものしか含まない。我々はこの違いは血中アンドロジェンにより調節されることを明らかにしている。そこで脂肪酸合成がアンドロジェンレベルにより調節される機構を明らかにすることとした。また、この腺の分泌液を用いてアンドロジェン作用をモニターする系の構築を試みた。 雌のハムスターにtestosterone enanthate(TE)を投与し、経時的にハーダー腺を得て、分枝鎖プライマーの生成を調節するisovaleryl-CoA dehydrogenase(IVD)及びshort/branched chain acyl-CoA dehydrogenase(SBCAD)の活性及び遺伝子発現量を分析した。また腺におけるアンドロジェン受容体(AR)の発現をタンパク質及び遺伝子レベルで分析した。 IVD及びSBCADの活性は無処理の雌と比べてTE投与により有意な増加が認められた。IVDmRNA量はTE投与7日後に活性と相関した増加が認められた。雌の腺のAR発現量は雄に比べて極めて少量であったが、TE投与12時間後には明らかな増加が認められた。また、ARmRNA量は投与後1日目で既に増加が確認された。 以上からハーダー腺に見られる脂質組成の雌雄差はアンドロジェンによりIVD及びSBCADの発現が遺伝子レベルで調節された結果生じると考えられた。この調節はアンドロジェン刺激によりARが自己を誘導する機構が関与することが示された。また、ハーダー腺の脂質は酵素活性の誘導にしたがって雌型から雄型の組成に変化するのが観察されたことから、腺のわずかな量の分泌液を分析することで非侵襲的なアンドロジェン活性のモニターが可能であることが示された。
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