研究課題/領域番号 |
09273211
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
|
研究分担者 |
瀬戸 実 旭化成工業(株), ライフサイエンス総合研究所, 研究職
堀 政敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | ミオシン / 燐酸化 / カルモジュリン / カルシウム / 平滑筋 / 局在 / トランスロケーション |
研究概要 |
本年度は、リン酸化ミオシン抗体を蛍光プローブでラベルし、その抗体特異性と抗体価の測定を行った。一方我々は、静止状態の血管平滑筋細胞において全カルモジュリンの95%以上が結合型として存在し、Ca結合タンパクとして機能できないことを明らかにしてきた。そこで、本年度は血管平滑筋細胞における遊離カルモジュリン量と細胞内Ca増加に伴う核へのトランスロケーションに対する各種ミュータントカルモジュリンの影響について検討した。 【成果】 1:共同研究者である瀬戸より供与されたリン酸化ミオシン特異的抗体をフルオレスセインアナログであるオレゴングリーン514にて蛍光ラベルした。牛気管平滑筋とニワトリ筋胃より天然アクトミオシンを抽出し、CaとEGTAで処理することにより、リン酸化ミオシンを含むサンプルと含まないサンプルを調整し、蛍光ラベルしたリン酸化ミオシン抗体の抗体特性と抗体価をウエスタンブロッティングを用いて検討をしたところ、リン酸化ミオシンのみがこの抗体により検出され、蛍光ラベルしない抗体と同等の抗体価と抗体特性を示した。従って、今後これがリン酸化ミオシンのバイオセンサーとして使用できるか検討する。 2:C末端側の疎水性領域を変異させたM144R CaMの細胞質内での流動性は増加し、結合して不動性の分画は逆に減少した。従って、C末端側の疎水性領域がCaMのターゲット分子への結合に重要であることが示唆された。これに対して、イオノマイシンを用いて細胞内Caを増加させた際に認められるカルモジュリンの細胞質から核への移行は、N末端側の疎水性領域を変異させたM36L CaMで消失し、α螺旋構造の負に電化したアミノ酸残基を変異させたE82-84K CaMおよびE140Q CaMにおいても核への移行が低下した。以上の成績から、細胞内でのカルモジュリンの結合には特にC末端側の疎水性領域が重要であるが、核へのトランスロケーションにおいては、逆にN末端側の疎水性領域が特に重要であることが示唆された。
|