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GDNF-Ret系を介した神経分化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09273222
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

高橋 雅英  名古屋大学, 医学部, 教授 (40183446)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードGDNF / Neurturin / 受容体型チロシンキナーゼ / Ret / 神経栄養因子 / 神経分化 / Ca^<2+>イオン
研究概要

われわれは昨年米国Genetench社との共同研究により、パーキンソン病などの神経変形疾患の治療薬として期待されている神経栄養因子、glial-cell-line-derived neurotrophic factor(GDNF)が受容体型チロシンキナーゼRetのリガンドであることを明かにした。本年度、GDNFの関連因子であるneurturin(NTN)もやはりRetのチロシン燐酸化を誘導でき、そのリガンドであることを証明した。よって今回はGDNFあるいはNTNにより活性化されるRet蛋白を介した細胞内シグナル伝達系の解析を行った。その結果、Retの活性化によりアダプター蛋白の1つであるShcがRetのコドン1072の燐酸化チロシンに結合し、Shc自身もチロシン燐酸化を受けることを証明した。さらに燐酸化Shcは別のアダプター蛋白Grb2と結合し、Ras-MAP kinase系を活性化させることが判明した。GDNFとRET遺伝子のノックアウトマウスはいずれも腸管神経細胞の分化異常を生じる点から考えて、本年度明かにしたGDNFによる細胞内シグナル伝達系の活性化は腸管神経細胞の分化に重要な役割を果たしているものと推定される。神経細胞の分化のための細胞内シグナルと生存のためのシグナルは異なっていると推測されるので、今後は生存に関わる細胞内シグナル伝達系の解析を進めていくつもりである。
さらにわれわれはRet蛋白の細胞外ドメインにカドヘリン様構造が存在することに注目し、Retの活性化にCa^<2+>イオンが必要かどうかを検討した。その結果、GDNFあるいはNTNとRetの複合体形成にCa^<2+>イオンは必須であり、Ca^<2+>イオンが存在しないとRetの活性化が誘導されないことを明かにした。おそらくCa^<2+>イオンはRet蛋白がGDNFあるいはNTNを認識するための3次元構造を保持するのに関与しているものと推定される。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshio Watanabe et al.: "ret proto-oncogene product is a useful marker of lineage determination in the development of the enteric nervous system in rats." J.Pediatr.Surg.32. 28-33 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Robert D.Klein et al.: "A GPI-linked protein that interacts with Ret to form a candidate neurturin receptor." Nature. 387. 717-721 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Shinji Ito et al.: "Biological properties of Ret with cysteine mutations correlate with multiple endocrine neoplasia type 2A,familial medullary carcinoma,and Hirschsprung's disease phenotype." Cancer Res.57. 2870-2872 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Mikinao Ohiwa et al.: "Characterization of Ret-Shc-Grb2 complex induced by GDNF,MEN 2A and MEN 2B mutations." Biochem.Biophys.Res.Commun.237. 747-751 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Chika Nozaki et al.: "Calcium-dependent Ret activation by GDNF and neurturin." Oncogene. 16. 293-299 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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