研究課題/領域番号 |
09273227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
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研究分担者 |
片上 功 三井製薬工業(株), 製品計画部, 研究員
森 豊樹 大塚製薬株式会社, 徳島新薬第二研究所, 研究員
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (50194973)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 抗不整脈薬 / 心不全 / Kチャネル / 活動電位 |
研究概要 |
抗不整脈薬として使用あるいは開発されたKチャネルブロッカーであるd-sotalol,dofetilide,ibutilide,sematilide,almokalantなどはその基本骨格にmethanesulphonanilide(SO_2NHC_6H_6)を持つ。MS-551はd-sotalolのsulfonanilide骨格に代えてpyrimidindione骨格を持つ。強心薬Vesnarinoneはquinoline骨格(CONHC_6H_6)に加えて、cAMPに類似したN-C=O構造を持ち、PDE阻害作用と同時にKチャネル抑制作用を持つ。本年度は、第III群抗不整脈薬であるMS-551,E-4031,sematilideとPDE阻害剤vesnarinoneについて、活動電位波形と家兎心室筋I_k電流に対する薬物の性質の違いを検討した。vesnarinoneはMS-551と同様に、開放したKチャネルに結合してそれによるイオン電流を抑制するが、閉鎖したチャンネルからは解離する動態をとることが判明した。その結果、vesnarinoneは高頻度刺激時にも活動電位持続時間をさせ、sulfonanilide系であるE-4031とsematilideとは異なる作用を示した。以上の結果より、vesnarinoneは活動電位のプラトー相でI_k電流を抑制して高頻度刺激時にも活動電位持続時間を延長させること、このような性質は他の第III群抗不整脈薬物にはみられず、頻脈性不整脈に対する抗不整脈作用の点で有用であると考えられた。今後vesnarinone等のquinoline骨格を有する薬物の各種について同様の検討を加え、心不全などの病態における最適のKチャネルブロッカーの特性とそれが由来する構造について検討する。
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