研究課題/領域番号 |
09273230
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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研究分担者 |
林 正晃 三重大学, 医学部, 助手 (80291417)
伊奈田 宏康 三重大学, 医学部, 助手 (90283522)
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | プロテインキナーゼ / カルポニン / リン酸化部位 / 活性ペプチド / カルシウム感受性 / 血管平滑筋 / 収縮機構 / カルシウムセンシタイザー |
研究概要 |
プロテインキナーゼによる基質分子のリン酸化反応は、細胞内シグナル伝達の中心的分子機構である。最近我々は、基質分子のリン酸化ペプチド解析から、新しい生理活性ペプチドを設計した。本研究は、プロテインキナーゼの基質分子に焦点をあて、リン酸化部位ペプチドを基盤にした新しい機能探索ペプチドの分子設計法を確立することを目的とする。すなわち、我々が独自に見出したプロテインキナーゼCの基質分子であるカルポニンのリン酸化部位から拮抗薬と作動薬を設計しているが、このペプチドのデザインを変化させ分子構造-活性相関研究を完成させる。新しいペプチドをデザインするためには、いくつかの条件が必要である。まず第一に、その蛋白質リン酸化反応がin vitroだけではなくin vivoにおいても作用しており、生理的意義の明らかなものを選択する必要がある。第二に、新しいペプチドの標的として、そのシグナル伝達系のどの分子のどのドメインに作用するかを決定する必要がある。我々は、カルポニンの主なリン酸化部位である184番目のトレオニンはin vitroだけではなくin vivoにおいてもプロテインキナーゼCにより最も良くリン酸化されることを確認した。さらにオカダ酸を使用した実験からin vivoにおけるカルポニンの脱リン酸化酵素は平滑筋ミオシン脱リン酸化酵素と同じホスファターゼ1δであることを明らかにした。さらに、カルポニンの主なリン酸化部位である184番目のトレオニンを含むペプチドLys172-His187(最初の繰り返しドメイン)はカルポニン拮抗ペプチドであることが明らかになった。さらに、スキンドファイバーにおいて、非リン酸化カルポニンはカルシウム感受性を抑制し、このカルポニン拮抗ペプチドはカルシウム感受性を亢進することを明らかにした。以上の結果よりこのリン酸化ペプチドから新しい選択的活性ペプチドが得られ、今後の低分子設計の基盤になることを明らかにした。
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