研究課題/領域番号 |
09273236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
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研究分担者 |
岩瀬 礼子 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (90283697)
山岡 哲二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (50243126)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アンチセンス / デコイ / RT-PCR / RNA高次構造 / ペプチド / 転写因子 |
研究概要 |
ガン発症に関わる種々の遺伝子群が見いだされ、その機能の解明が進んでいる。特に細胞内情報伝達系に関わる因子群の機能解明は今後の新しい生体制御分子の開発に不可欠である。本研究ではアンチセンス法に基づく情報伝達系の作用機構解明を目的とし、それに用いる新規分子の創出とそれらを用いた機構解明を非アンチセンス効果と関係づけて行った。(1)対象mRNA上のアンチセンス分子結合部位検索法の開発を行い、アンチセンス分子の逆転写反応阻害をPCR法で定量的に評価する手法開発に無細胞系でほぼ成功した。(2)転写調節因子の選択的制御法として2本鎖核酸によるデコイ法を採用した。分子設計の基本概念として(a)共有結合により2本鎖を結合させる、(b)生体安定性の高い核酸誘導体をデコイの成分とする、の概念を採用し、それに基づくデコイ分子の合成法を確立した。合成したデコイ分子のTmは消滅し、熱的安定性が高まったこと、さらに、核酸分解酵素に対する安定性が著しく高まったことを確認した。(3)デコイ分子(CREB,GCN4の認識サイト)に対する転写因子認識機構のモデル系として、同配列を認識する制御酵素のプラスミッド切断反応阻害系を構築し、デコイ分子の効果を検討した。現在までに、天然型デコイ分子の酵素反応阻害反応は競争阻害機構で進行すること、ミスマッチデコイ分子は制御能をほとんど持たないことを見いだした。今後GCN4に対する結合能を検討する。(4)RNAに対する種々の制御タンパク質の結合を制御するために、RNAの高次構造を認識するペプチドの分子設計を行い、合成した。このペプチドと一本鎖RNAとの結合を蛍光分光法により検討した結果、現在までに両者の結合のKdがμMのオーダーであることを確認し、さらに、結合がRNAの配列に依存するという予備的結果を得ている。今後、種々のペプチド配列を設計・合成し、RNA制御分子の創出を継続する。
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