研究課題/領域番号 |
09273237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
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研究分担者 |
村岡 修 大阪大学, 医学部, 助手 (20283765)
平 英一 大阪大学, 医学部, 助教授 (60263240)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 細胞接着因子 / 免疫グロブリンスーパーファミリー / 神経突起伸展 / 組織形成 / 細胞外基質因子 |
研究概要 |
ギセリンは神経突起伸展に関与する細胞接着因子として我々が見いだした分子である。このギセリン分子は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞接着因子であり、発生初期の神経系で強い発現が認められる。ギセリン分子はNOF(神経突起伸展因子)とのヘテロフィリックな結合に加えてギセリン分子間のホモフィリックな結合活性を持つ。ギセリン分子とNOF分子の発現部位は微妙に異なることから、ギセリン分子のこの2種類の結合活性には異なる生理作用があると考えられる。 我々はこのギセリン分子が発生期網膜-視蓋系に発現していることを見いだしており、今回実際に網膜および視蓋の組織形成にギセリン分子が関与しているかについて検討を行った。まず、発生期網膜および視蓋の組織切片を作成し、抗ギセリン抗体による免疫組織化学を行った。更に発現の変化を検討するために、同抗体によるウエスタンブロットを行った。この結果、ギセリン分子は従来発現が確認されている発生期網膜の視神経層に加え、網膜が層構造を形成する際に各網状層に強く発現すること、また、視神経が投射する視蓋においても、各層が形成される際に強く発現が認められることが明らかになった。この発現パターンから、ギセリンは網膜視神経の神経突起に関与するのみではなくこれらの組織の構築にも関与していることが示唆された。我々は更に、培養系を用いて網膜の組織形成にギセリンが関与しているかについて検討を行った。発生期網膜の切片を培養するとある程度の層構造の形成が見られるが、これは抗ギセリン抗体により特異的に乱された。以上のことから、ギセリンは網膜の組織構築にも重要な役割を果たしていることが示された。
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