1.暗誘導型遺伝子発現を示すアスパラギン合成酵素遺伝子およびフィトクロームA遺伝子のプロモーター配列の比較から、シス因子として17塩基対からなるRE3配列を見出した。さらに、loss of functionおよびgain of function実験により、光による転写抑制を司るシス因子であることを明らかにした。(論文2)。 2.シロイヌナズナGT-1の核移行シグナルの解析を行った。具体的にはGT-1と緑色蛍光タンパク質(GFP)の融合タンパク質を細胞内に導入し、各種変異・欠失を導入してGT-1の核移行を司るアミノ酸残基の同定を行った。また、光によるGT-1の細胞内所在の変化についても調査した(投稿準備中)。 3.既知のシロイヌナズナとタバコのGT-1のDNA結合領域の相同性に基づき、データベースに蓄積されたシロイヌナズナのcDNA塩基配列およびゲノムDNA塩基配列に対して、相同性検索を行った。また、シロイヌナズナのゲノムライブラリーを用いてlow stringency hybridizationによるGT-1の類似遺伝子の取得も試みた。その結果、GT-1と類似する2種類の新規なDNA結合タンパク質を同定することが出来た(投稿準備中)。 4.ホタルのルシフェラーゼ遺伝子(LUC)とウミシイタケ(Renilla sp.)のルシフェラーゼ遺伝子(Rluc)を組み合わせたデュアルルシフェラーゼアッセイ法を確立した。遺伝子銃を用いた実験で、シロイヌナズナのCAB1遺伝子のプロモーターを用いた場合、15〜20倍の光誘導を観察することが可能であった(投稿準備中)。
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