研究課題/領域番号 |
09275229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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研究分担者 |
石川 哲也 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90221754)
和田 直之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50267449)
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 四肢発生 / パターン形成 / 骨形成因子(BMP) / BMPレセプター / Sonic hedgehog / Wntファミリー / FGF-4 / レトロウイルスベクター |
研究概要 |
四肢パターン形成の分子メカニズムを理解するために、ニワトリ肢芽を用いて以下の点を調べた。 1.Sonic hedgehog(Shh)によるBMPに対する効果:Shh-N遺伝子を肢芽前部で異所的に発現し、重複肢が形成される過程では、BMP-2、BMP-7の発現は処理後6時間でShh-N産生細胞の周囲で誘導される。この効果はPatchedの場合と同様、12〜24時間後に顕著となり、48時間以降も持続する。一方、Shh-Nタンパク質で処理した場合にも重複肢が形成されるが、この場合にはBMP-2の発現は18〜20時間後にビーズから離れた先端部で誘導され、42時間後には検出できなくなる。この時、AERでのFGF-4の発現はShh-Nタンパク質により前部側で誘導されてくる。これらの結果はShhによる前後のパターンの誘導がBMP-2を介して進行することを示唆するが、BMP-2の作用は間接的であり、前後の位置価はShh-Nによって誘導される因子によって二次的に決定されると推測される。 2.BMPファミリーの役割:ステージ22〜23の肢芽間充織細胞を用いて、内在性BMPによる軟骨分化に対するキナーゼドメイン欠失型のBMPレセプターの効果を調べると、BRK-1(ALK-3)およびALK-2に比べてBRK-2(ALK-6)で最も著明な抑制が見られた。一方、欠損型のII型レセプター(BRK-3)では軟骨細胞の成熟が顕著に抑制された。これらの結果から、四肢の軟骨形成に関与するBMPシグナルには主にBRK-2+BRK-3のレセプター系が関係していると考えられる。 3.Wntファミリーの関与:肢芽で発現するWntファミリーのうち、Wnt-5aをRCASで肢芽全体で強制発現すると、主に前腕の尺骨、橈骨の短縮、異形成が起こる。このとき、HoxA、HoxD、Msxなどの発現には変化が見られない。Wnt-5aの発現はステージ14以降で予定肢芽領域での発現が認められるが、ステージ20〜22では先端部の後部側でより強く発現している。AERを除去すると12時間で先端部前側での発現は消失するが、後側での発現は維持される。このことは、Wnt-5aの発現がAERとZPAの両方に由来する因子によって調節されていることを示唆する。
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