研究課題/領域番号 |
09275230
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
後藤 聡 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (60280575)
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研究分担者 |
林 茂生 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (60183092)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | パターン形成 / ショウジョウバエ / 肢 / 近遠軸 / 転写制御因子 / Distalless / escargot / 成虫原基 |
研究概要 |
我々は、ショウジョウバエの肢を用いて器官形成とそのパターン形成について研究を行っている。ショウジョウバエの肢は、胚発生期に分泌性シグナル因子であるWgによって誘導され、その後Dppによって翅・脚への運命決定がおこなわれる。同時に脚の近遠軸の原型も形成される。本年度は、胚期に誘導された近遠軸の原型をもとに、どのようにして成虫の複雑な近遠軸が形成されるのかについて研究をおこなった。胚期の脚原基の近位部では転写制御因子であるescargot(esg)が発現し、遠位部では転写制御因子であるDistalless(Dll)が発現している。そこで、esgまたはDllを、本来発現していない場所の少数の細胞で強制発現させ、その効果を調べた。その結果、Dllを発現した細胞は、それ自身遠位部の構造を作るとともに周囲の細胞に働きかけて、より近位部の構造を誘導した。esgを発現した細胞は、周囲の細胞に、より遠位部の遺伝子発現を誘導した。以上の結果より、胚期に誘導された脚原基においてDllを発現している遠位部の細胞からのシグナルとesgを発現している近位部の細胞群からのシグナルにより、その間に中間部の運命が誘導されると考えられた。このことは、移植実験等の結果から提出されたintercalation modelと良い対応をみせており、我々の結果はintercalation modelの分子的な基盤をあたえるものと考えられる。
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