研究課題/領域番号 |
09276233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | T細胞 / プレT細胞受容体 / CD3 / カルネキシン / シグナル伝達 |
研究概要 |
T細胞の分化過程において、T細胞受容体(TCR)の発現は遺伝子の再構成や異なる代替サブユニットの発現などを通して巧妙に制御されている。特に成熟T細胞と未熟な胸腺細胞においてはTCRの発現機構に大きな差のあることを示唆する結果がいくつか得られている。そこで本研究では異なる分化段階にあるT細胞におけるTCRの発現調節を明らかにすることを目的とし、特に我々が新たに開発した細胞株やトランスジェニック・ノックアウトマウスを用い、TCRの各サブユニットの運搬や会合にかかわる分子シャペロンの同定と機能の解析に重点を置いた。その結果、T細胞の初期分化において、プレT細胞受容体α(pTα)サブユニットの発現とT細胞受容体βサブユニット(TCRβ)の遺伝子再構成が独立に起こること、pTαの発現前に再構成したTCRβは細胞表面にカルネキシンと会合した状態で発現することを明らかにした。さらに、TCRβはpTαの発現に伴ってCD3複合体と会合してプレT細胞受容体を形成し、細胞内にpTαの発現停止シグナル並びにTCRαの遺伝子再構成を促すシグナルを伝達することを明らかにした。成熟T細胞においてTCRβはTCRαの発現なしに細胞表面へ発現することはなく、カルネキシンと会合して細胞表面へ運搬されることは未熟T細胞に特異的な現象と考えられた。未熟T細胞においてCD3複合体もカルネキシンと会合して細胞表面へ発現されることが他のグループによって明らかにされている。今後細胞表面におけるカルネキシンの機能、並びにカルネキシンと会合した状態で細胞表面へ発現されたTCRβ分子やCD3分子の機能を解明してゆく予定である。
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