研究課題/領域番号 |
09277216
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)
|
研究分担者 |
清水 敏之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (30273858)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | bZIP / bHLH / DNA結合モチーフ / 塩基配列 / 分子認識 / 構造生物学 |
研究概要 |
1)PHO4-DNA複合体結晶 酵母由来のリン酸代謝系の転写因子PHO4のDNA結合ドメインとその認識配列DNA(PHO5遺伝子のUASp2)との複合体の結晶構造を分解能2.8Åで決定し、EMBO.J(1997)に発表した。従来のbHLHモチーフでは見られなかった第三のヘリックスがループ部分に存在すること、及び、E-boxと呼ばれるbHLHの認識する共通配列(CACGTG)に続く3'-側の2塩基対を余分に認識していることを発見した。ホモ二量体の非対称認識を示す最初の例である。 2)Papl-DNA複合体結晶 また、分裂酵母由来のAP-1様転写因子PaplのDNA結合ドメインとDNAオリゴマーとの高分解能(2Å以上)複合体結晶を作成して、MIRより位相決定した。bZIPの認識する共通配列はAP-1及びATF/CREBサイトに大別されるが、Papl(認識配列TAACGTTA)などの幾つかのbZIP転写因子はこれとは異なる種々の配列を認識することが知られており、その認識メカニズムは不明であった。本構造はこの非共通配列をもつ複合体の最初の解析例であり、塩基認識の多様性について新しいパラダイムを提出できる可能性がある。 3)IRF2-DNA複合体結晶 更に、マウス由来の転写因子IRF-2のDNA結合ドメインとDNAオリゴマーとの複合体結晶を、MIR-MRより位相決定した。IRF-2は繰り返し配列にタンデムに結合しており、IRF-1/DNA結晶で報告されているような大きなDNAの湾曲が局所的には存在するもの、分子全体としては互いに打ち消し合っていることが明らかになった。これらのPapl/DNAとIRF-1/DNAの複合体は、現在、更に構造精密化中である。
|