研究課題/領域番号 |
09277223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
後藤 聡 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (60280575)
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研究分担者 |
林 茂生 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (60183092)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Decapentaplegic / EGF / ショウジョウバエ / 肢 / モルフォジェン / 発生・分化 / 器官誘導 / 転写制御 |
研究概要 |
細胞外のシグナル因子によって転写が制御されているメカニズムについては、近年のシグナル伝達の研究によって多くの知見が得られている。ところが、発生・形態形成の過程におけるモルフォジェンと呼ばれるシグナル因子の場合、シグナルの強度に応じて標的遺伝子の発現が制御されていることが知られているが、そのメカニズムについてはほとんどわかっていない。我々は、ショウジョウバエの肢原基形成過程において、モルフォジェンと考えられているDecapentaplegic(Dpp)のシグナル強度が、細胞の運命決定に重要な役割を果たしていることを見い出した。つまり細胞にDppシグナルが強く入ったときには翅の運命に決定され、弱く入ったときには脚の運命に決定される。我々は、この過程に働く他のシグナル分子について解析したところ、ショウジョウバエのEGF receptor(EGFR)を介したシグナルが、Dppと逆の作用を示すことを見い出した。つまり、EGFRのmutantでは、脚原基を構成する細胞の数が減少し、そのかわり翅原基の細胞数が増加していた。このことは、翅または脚への運命決定にDppシグナルに加えてEGFRを介したシグナルも重要な役割を果たしていることを示している。我々はさらに、DppシグナルとEGFRを介したシグナルの関係について研究を進めている。
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