研究課題/領域番号 |
09277227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
藤田 尚志 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (10156870)
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研究分担者 |
木村 洋子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (80291152)
米山 光俊 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (40260335)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | インターフェロン / 転写因子 / IRF / IFN / ウイルス / ウイルス感染 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
ウイルス感染が起きた細胞内では、はじめにI型インターフェロン遺伝子を含む種々の遺伝子の発現が誘導され、抗ウイルス作用などの生体防御機構が働くことになる。これまで、ウイルスあるいは二重鎖RNA刺激に応答する遺伝子のプロモーターには共通のDNA配列(PRDI/ISRE)が存在し、そこにはIFN regulatory factor(IRF)ファミリーに属する転写因子(IRF-1,IRF-2,ISGF3など)が結合することが示されていたが、実際にどの因子がどのようなメカニズムで機能しているのかは明らかになっていなかった。 我々は、知られているIRFファミリーに属する分子群についてウイルスによるシグナルへの関与について検討を行ったところ、IRF-3分子の機能について興味深い結果を得ることができた。すなわちIRF-3は、ウイルス刺激によるIFN-αやIFN-β遺伝子プロモーターの活性化を、PRDI依存的に著しく増強する能力を持つことが明らかになった。また同時に、IRF-3を含んだDNA結合活性のPRDI/ISRE配列への結合が検出され、それがウイルスあるいは二重鎖RNA刺激によって特異的に誘導されるものであることが明らかになった。さらに興味深いことに、このDNA結合活性は、種々の転写因子のコアクティベータ-として働くことが知られているp300/CBPとIRF-3との複合体であることが判明した。そこで、この複合体についてさらに詳細な解析を行ったところ、IRF-3は通常そのN端に存在するNuclear Export Signal(NES)の機能により細胞質内に局在しており、ウイルス感染によってC端側に存在する特定のセリン残基がリン酸化されることにより核内に移行し、核内に存在するp300/CBPと複合体を形成すると共にDNA結合能を獲得することが明らかになった。 これらの事実はIRF-3は通常不活性型で細胞質に蓄積しており、ウイルス感染によってはじめて修飾により活性化が開始し、上記のようなカスケードによって直接遺伝子の活性化を行うという全く新しいシグナル伝達系に関与していることを示している。さらに、ドミナントネガティブに作用するIRF-3を培養細胞内に大量発現させたところ、内在性IFN遺伝子などのウイルス刺激による発現が強く抑制されたことから、IRF-3がウイルス感染に端を発する生体防御システムの稼働に中心的な役割を果たしていることが明らかとなった。
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