研究課題/領域番号 |
09278102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 義一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40114590)
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研究分担者 |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
口野 嘉幸 国立がんセンター研究所, 部長(研究職) (60124418)
饗場 弘二 (哀場 弘二) 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025662)
横山 茂之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00159229)
井上 邦夫 奈良先端科学技術大学院大学, 助手 (40252415)
豊田 春香 東京大学, 医科学研究所, 講師 (10197973)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
206,400千円 (直接経費: 206,400千円)
2000年度: 52,700千円 (直接経費: 52,700千円)
1999年度: 52,700千円 (直接経費: 52,700千円)
1998年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1997年度: 51,000千円 (直接経費: 51,000千円)
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キーワード | RNA / 翻訳調節 / 転写後制御 / リボソーム / 分子擬態 / 終止コトン / mRNA動態 / RNA結合蛋白質 / 終止コドン |
研究概要 |
本研究では、mRNAの誕生から終焉に至る動態と多元的な制御プログラムを、1)翻訳調節、2)RNAプロセシング、3)細胞内輸送、4)蛋白質・RNAの機能構造の視点から研究した。その結果、翻訳機構においては、翻訳因子によるtRNA分子擬態の研究によって、構造の擬態の証明のみならず、終止コドンを認識するペプチドアンチコドンを発見し遺伝暗号の発見から40年間来の謎を解明した。翻訳調節機構に関しては、フレームシフト機構の解析、tmRNAによる大腸菌LacIタンパク質タグ化と発現制御機構の発見、開始因子異常による癌化等、翻訳機構のメカニズムが明らかになると同時に、細胞レベルでの翻訳調節の重要性が鮮明に示された。RNAのプロセシングに関する研究では、mRNAの3'末端形成機構、タバコ葉緑体抽出液を用いたin vitro RNAエディティング系の開発等に世界的な成果をあげた。RNAのプロセシングと細胞内移行は密接に関連する問題であるが、HIV-1 Rev蛋白・RRE mRNA複合体の核内アクチン繊維束を介した核外輪送機構の発見やSRタンパク質の核と細胞質とのシャトル機構の解析等に顕著な成果をあげた。発生分化については、ゼブラフィッシュのEtr-1(神経系特異的)や生殖系列形成過程に関与すると考えられるvasaやDazlの相同遺伝子等のユニークなRNA結合性タンパク質に関する研究が進展した。また、Hu蛋白質は核・細胞質間をシャトルすることによって神経突起伸長を誘導するRNA結合蛋白質であることが発見された。これらの研究によって、一群のRNA結合蛋白質が生殖細胞の決定に必要なmRNAsの輸送、局在化の制御、及び後転写、翻訳過程の制御を司っていると考えられている。RNA結合タンパク質とRNAの結合様式については、横山らによりmRNAとSxlとの複合体の構造やアミノアシルtRNAシンテターゼとtRNA複合体の構造が明らかにされ、タンパク質とRNAとの原子レベルのネットワークが説明できるフェーズへ進展した。
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