研究課題/領域番号 |
09278204
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | ポリアミン / 蛋白質合成開始 / OppA / RMF / SD配列 / RNAヘリカーゼ / スキャニング |
研究概要 |
1.大腸菌のオリゴペプチド結合蛋白質(OppA)の合成は、ポリアミンにより翻訳レベルで強い促進を受ける。このOppA mRNAの構造をZuckerの方法によりコンピュータで解析すると、Shine-Dalgarno(SD)配列が部分的にstem構造を形成し、その上流にGC stemが存在する。この構造を一本鎖RNAのGを切断するRNase T_1と二本鎖RNAを切断するRNase V_1を用いて証明した。さらに、ポリアミンを添加するとOppA mRNAの構造が変わり、SD配列が露出することを上記RNasesを用いて証明した。 2.大腸菌のribosome modulation factor(RMF)の合成は、スペルミジンにより翻訳レベルで阻害を受ける。RMF mRNAはSD配列が2ヵ所(mRNAの5'-側よりSD1及びSD2と命名)存在し、SD1がより強く蛋白質合成開始に関与していた。しかし、スペルミジンによるRMF合成阻害にはSD2が関与しており、SD2の塩基配列をsite-directed mutagenesis法により変換すると、RMF合成のスペルミジンによる阻害が解消された。目下、RNaseを用いてスペルミジンによるRMF mRNAの構造変化を解析中である。 3.動物細胞の蛋白質合成開始は、eIF4F(eIF4A、eIF4E、eIF4Gの複合体)によるmRNAの5'-末端cap(m^7G)構造から開始コドンAUGまでのスキャニングが律速とされている。カナダのSonenbergのグループは、eIF4Eの過剰産生株で蛋白質合成が促進され、細胞がトランスフォームされることを報告した。申請者らはeIF4Gの過剰産生株が細胞をトランスフォームする事を見出した。現在、両過剰産生株を用い、蛋白質合成開始におけるポリアミンの役割を解析中である。
|