研究課題/領域番号 |
09278228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
神津 知子 埼玉県立がんセンター, 研究所・血清ウィルス部, 主任研究員 (60161874)
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研究分担者 |
福山 朋房 埼玉県立がんセンター, 研究所・血清ウィルス部, 研究員 (10300906)
末岡 榮三朗 埼玉県立がんセンター, 研究所・血清ウィルス部, 研究員 (00270603)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 白血病 / ハンマーヘッドリボザイム / アンチセンス / 遺伝子治療 / RNase H |
研究概要 |
リボザイムは遺伝子発現の抑制やがんの治療に応用できる新しい魅力的な手段である。私共は、t(8 ; 21)転座型急性骨髄性白血病の融合遺伝子AML1-MTG8mRNAの融合点近傍の4つの部位を標的としてDNA/RNAキメラハンマーヘッド型リボザイムを作製した。各々のリボザイムのin vitroでの標的RNA切断効率は、高いものと低いものでは約100倍の違いがあった。次に、in vitroのリボザイム活性が、細胞内での標的mRNA切断活性を反映するかどうかを検討する目的で、AML1-MTG8mRNAを発現する白血病細胞株SKNO-1の分離核を用いてリボザイム活性測定系を作製した。AML1-MTG8mRNAの切断は、RNaseプロテクション法により検出した。 AML1-MTG8リボザイムは、白血病細胞株の分離核内で、内在性のAML1-MTG8mRNAを濃度依存的に切断した。次に、核内のAML1-MTG8mRNAの切断産物を解析した結果、リボザイムはアンチセンス効果により内在性のRNase Hを活性化し、切断を起こすことが見い出された。更に標的とするAML1-MTG8mRNA融合領域に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをシリーズで作製し、分離核での切断活性を検討した結果、この標的領域がアンチセンスホットスポットであることが示唆された。したがって、このリボザイムの標的領域は核内で露出しており、アンチセンスオリゴヌクレオチドが結合しやすい部位であることを示している。分離核系における切断活性の強さは、リボザイムによる細胞増殖抑制効果と相関することから、この分離核系は、リボザイムやアンチセンスによる内在性RNase H活性化によって起こる標的mRNA切断活性を定量的に解析する系として有用であり、今後の発展が期待できる。
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