研究課題/領域番号 |
09279202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
平塚 寿章 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30041825)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | モータータンパク質 / ミオシン / ATP結合 / 構造変化 |
研究概要 |
筋収縮に関与するモータータンパク質のミオシンの頭部(S-1)にATPが結合すると、S-1内部に立体構造変化が誘起され、これが筋肉の滑り運動に連動すると考えられている。本研究では、ATP結合ポケットで生じた構造変化がS-1の他の部位にも伝播することを蛍光プローブを使って明らかにした。またこの蛍光変化を利用するとS-1のATPase活性を直接測定できることも示した。 非共有結合性の蛍光プローブである6-プロピオニル-2-ジメチルアミノナフタレン(プロダン)は、S-1本来の生物活性をほとんど損なうことなくS-1の疎水性部位に1:1で結合した。プロダンが発する緑色の蛍光はS-1に結合すると青色に変化し、ATP加水分解中は青色蛍光の強度は約5倍に増大した。この蛍光変化を利用すると、Mg^<2+>、Ca^<2+>、アクチン存在下の各ATPase反応を追跡することができた。この方法を使ってS-1 ATPase活性の蛍光測定をさまざまな条件下で試みた。ATPの初濃度がS-1に対して少なくとも18倍以上であれば、プロダンの蛍光変化を利用して非常に簡単に短時間で好感度にS-1のATPase活性を測定できることが明らかになった。またS-1に結合したプロダンの発する蛍光の強度は、筋肉が発生する張力の大きさに対応していることも示唆された。 以上の結果から、(1)S-1のATP結合ポケットの構造変化はS-1内部の他の部位にも伝播されること、(2)プロダンを蛍光プローブとしてS-1に使うと、疎水性部位に由来する構造変化を追跡するだけでATPase活性が簡単に直接測定できることの2点が明らかになった。
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