研究課題/領域番号 |
09279213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 急速凍結電子顕微鏡法 / フリーズ・ディープエッチレプリカ法 / アクチン / ミオシン・クロースブリッジ / コンフォメーション変化 / 3次元再構成 / コンピュータートモグラフィ / サブドメイン構造 |
研究概要 |
筆者は、高い空間/時間分解能を有するマイカ細片急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡法を駆使して、アクチンの滑り運動を起こしているミオシン・クロスブリッジの一瞬の姿を捉え、筋収縮や種々の細胞運動の源となる滑り運動の分子メカニズムを構造の面から追求してきた。これまでに、アクチン・重メロミオシン(HMM)硬直複合体をマイカ表面に吸着させ、そのままで、あるいはATPを加えた直後に急速凍結して得られた像から、硬直複合体においては、HMMの2個の頭部は大部分真っ直ぐ伸びた洋ナシ型の形状をとっており、アクチンの軸方向と約45度の傾きを持って結合していること、また、ATPを加えて滑り運動を開始させると、1HMM分子の2個の頭部は強く折れ曲がり、常にその片側のみで、内側にアクチン・フィラメントを抱くように結合していることなどを示してきた。本年度の研究計画においては、本法を平滑筋アクトミオシン系に応用し、機能遂行中のクロスブリッジの更に詳細な3次元構造を追求することの2点を目標として設定したが、都合により、第2の目標の追求に全力を注ぐこととした。これまでの立体視差を利用する再構成法は精度不足であったので、レプリカ試料を広範囲に傾斜して像を撮影し、コンピュータ・トモグラフィで3次元像再構成する方法に切り替えた。一般的には、撮影角度制限による情報不足のため、このような状況での再構成は困難であるが、レプリカが2次元物体であり、しかも高コントラスト像が得られるために現実に可能となった。当方法の実用性を検証するために、X線結晶解析による高次構造データの得られている骨格筋HMM頭部の構造とそのリガンド結合に伴う構造変化を追ってみた。以前、HMMにATPやADP/バナジン酸を加えると頭部が強く屈曲することを見いだしているが、再構成像では、原子モデルで見られる分子内各ドメインの配置が良く分かり、構造変化の実態がかなり明らかになった。
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