研究課題/領域番号 |
09279228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ミオシン分子モーター / キネシン分子モーター / 温度パルス顕微鏡法 / 高速顕微画像解析システム / アクトミオシン / 微小管 / 滑り運動系 / HMM |
研究概要 |
(1)温度パルス顕微鏡法に高速顕微画像解析システムを組み合わせ、アクトミオシンモーターの滑り運動系に応用したところ、温度上昇に約6ms遅れて滑り運動が始まることが分かった。この時間遅れがモーターのどのような状態に対応するかの解明は、今後解決すべき問題として残された。主な結果は論文としてまとめ、現在投稿中である。 (2)温度パルス顕微鏡法を、微小管-キネシン系に応用した。その結果、18℃から約40℃に上昇すると、滑り速度は約0.4μm/sから約4.0μm/sへと上昇した。4.0μm/sいう滑り運動は、これまで知られていたキネシン分子モーターの滑り速度の数倍にも達する。キネシン分子モーターの機能は、ミオシン分子モーターに比べて温度に対して弱いことも分かった。我々はまた、キネシン一分子の滑り運動機能が熱的に励起されることを確認した。 (3)アクチン・HMM分子間の結合破断力について、単頭HMMと双頭HMMを比較した。その結果、単頭HMMの破断力の分布は約7pNにピークを持つのに対して、双頭HMMでは数pNから20pNにわたって広く分布し、7pNと10数pNとに2つのピークをもった。即ち、アクチン・HMM分子の結合破断力は、単頭と双頭とで約2倍異なっていた。また、結合したアクチンフィラメントの旋回運動を通して見積もったHMM分子の捻れ弾性率は、一見すると双頭HMMの方が小さかった。しかし、双頭HMMの場合には旋回運動に幾つもの平衡角度(互いに約2π離れている)が存在するように見え、各平衡角度の回りで見積もった弾性率は、単頭HMMのものとほぼ一致した。即ち、双頭HMMの場合には、双頭結合(数十秒)→単頭結合(数秒)→双頭結合(数十秒)のように結合様式を変え、結合アクチンフィラメントの平衡角度を変化させているように見えた。
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