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発生工学を用いた神経細胞壊死の機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 09280211
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関新潟大学

研究代表者

崎村 建司  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードNMDA受容体チャネル / 神経細胞壊死 / 興奮毒性 / ジーンターゲッティング / 網膜
研究概要

虚血による神経細胞壊死、とりわけ一過性の虚血による遅発性の神経細胞の壊死にグルタミン酸受容体の関与が考えられてきたが、その詳細は不明のままであった。我々は、この遅発性の神経細胞壊死にNMDA受容体チャネルがどのように関与するのかを明らかにするために、NMDA受容体チャネルを構成し、この受容体の機能的多様性を決定している4種類のεサブユニットを欠損したマウスを用いて検討をおこなった。一過性虚血による神経細胞壊死の人工的モデルとして、眼圧を上昇させることにより虚血状態を作る方法を採用した。マウスを麻酔下に片眼の前眼房に針を挿入し、1200mmの静水圧を経時的に加えることにより網膜の神経細胞に一過性の虚血を負荷した。この虚血負荷後、経時的に眼球を摘出し、形態学的な変化を検討した。その結果、30-45分の眼圧上昇により遅発性神経細胞壊死が惹起されることが明らかになった。この神経細胞の壊死は、アポトーシス様の過程をたどる。成体マウスの網膜では、ε1およびε2サブユニットが主に発現している。そこで、成体まで成長し、光顕レベルで組織に異常が認められないε1サブユニットを欠損したマウスと野生型マウスに眼圧上昇を負荷し比較検討した。その結果、ε1サブユニット欠損マウスでは、45分の眼圧上昇を負荷しても網膜神経細胞の壊死はほとんど認められなかった。一方この条件では、野生型マウスのほとんどの網膜神経細胞が変性脱落する。このことは、虚血による遅発性神経細胞壊死にNMDA受容体チャネルを介する過程が含まれることを示唆する。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ito, I.: "Synapse-selective impairment of NMDA receptor functions in mice lacking NMDA receptor ε1 or ε2 subunit" J. Physiol. (Lond. ). 500.2. 401-408 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Minami, T.: "Absence of prostaglandin E2-induced hyperalgesia in NMDA receptor ε subunit knock-out mice" Br. J. Pharmacol.120. 1522-1526 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Kurihara, H.: "Impaired parallel fiber-Purkinje cell synapse stabilization durin cerebellar development of mutant mice lacking GluRδ 2" J. Neurosci.17. 9613-9623 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Watanabe, M.: "Contrasting localization of NMDA receptor channel subunits between stratum lucidum and other neuropil layers in the mouse hippocampu" Eur. J. Neurosci.(in press). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 〓村建司: "NMDA受容体チャネルのノックアウト" 神経研究の進歩. 41. 746-755 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 〓村建司: "脳:高次機能と分子機構からさぐる脳疾患" メジカルビュー社, 175 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Ito, S.: "Proceedings of the 8th World Congress on Pain (Progress in Pain Research and Management, vol. 8)" IASP Press, Seattle, 332 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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