研究課題/領域番号 |
09280214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
前田 武彦 京都大学, 薬学研究科, 助手 (50271010)
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60177516)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 牛胎仔血清 / ドパミンニューロン / グルタミン酸 / 神経細胞死 / 線条体 / 大脳皮質 / 一酸化窒素 / 黒質 |
研究概要 |
グルタミン酸-一酸化窒素(NO)系により誘発されるドパミン(DA)ニューロン死を抑制する内在性物質を探索する目的で以下3項目の研究を実施した。1)培養中脳切片のグルタミン酸神経毒性に対する線条体切片共培養の効果:培養線条体細胞に由来する神経保護活性を検討する目的で、ラット新生仔より黒質を含む中脳切片および線状体切片を摘出し共培養を行った。共培養により中脳切片から線条体切片へのDAニューロン投射が確認された。中脳切片にNMDAを投与することにより濃度依存的にDAニューロン数が減少した。NMDA神経毒性は中脳切片単独の培養で顕著に現れ、中脳と線状体の共培養により著明に減弱した。このような共培養による保護作用は中脳と小脳の共培養では観察されなかった。2)培養線条体細胞条件培地(CM)および牛胎児血清(FCS)のグルタミン酸神経毒性に対する保護作用:ラット胎仔より摘出・単離した培養線条体細胞はグルタミン酸神経毒性に対して抵抗性を示した。培養大脳皮質細胞のグルタミン酸神経毒性に対するCMの作用を検討したところ、CMおよびその凍結乾燥物がグルタミン酸神経毒性を抑制し、その神経保護活性成分はエーテル等の有機溶媒により抽出された。CM中に10%含まれるFCSのエーテル抽出物にも弱いグルタミン酸神経毒性作用が認められた。FCSエーテル抽出物はNOドナーの神経毒性も抑制した。これらの結果は、CM中およびFCSに含まれる非蛋白性の疎水性化合物がNOを介するグルタミン酸神経毒性を抑制することを示す。3)D2受容体アゴニストの神経保護作用:培養中脳細胞をD2受容体アゴニストのブロモクリプチンで前処理することにより、グルタミン酸および活性酸素種の細胞毒性がDAおよび非DAニューロンの両者で共に抑制された。以上の結果はD2受容体の持続的刺激により細胞の活性酸素種除去能が高まることによりグルタミン酸神経毒性が抑制されることを示す。
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