研究課題/領域番号 |
09280224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
近藤 郁子 愛媛大学, 医学部, 教授 (20110489)
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研究分担者 |
重本 和宏 愛媛大学, 医学部, 助教授 (40284400)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 遺伝的因子 / 環境因子 / α-antichymotrypsin |
研究概要 |
パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)はアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)に次いで頻度の高い中高齢者の神経難病である。原因は不明であるが、特定の遺伝性要因を持つ人々に、加齢とともに生活習慣を含む環境因子が作用して発病にいたる多因子疾患に位置づけられている。本研究では環境因子と遺伝性素因を明らかにするために、香川県の中核病院に通院中のPD患者とその地域の同年齢の健康者集団におけるPD発症候補遺伝子の解析を行った。 研究協力要請に際し、十分な同意を得て血液を採取しDNAを抽出した。候補遺伝子として、ADの発症促進因子とされるα-antichymotrypsinのDNA多型(A、T遺伝子型)を用いた。また、常染色体優性遺伝性PDの原因遺伝子として報告されたα-synuclein遺伝子の全エキソンのDNA変異を検索した。その結果、ADの発症因子とされるα-anti chymotrypsinのA型遺伝子の頻度はPD患者でも健常者に比べて有意に高く(P<0.05),A型遺伝子のホモ接合体はT型遺伝子のホモ接合体比べて焼く3.36倍、AとT型遺伝子型の保因者(ヘテロ接合体)に比べて2.18倍の相対発症危険率を示した。しかし、α-synuclein遺伝子の解析では、特発性PD患者には優性型PDにみられて遺伝子変異は同定されなかった。さらに、全部のエキソン部分のDNA変異解析では3つのDNA変異が同定されたが、健常者のも同じ頻度に検出される遺伝子多型であった。以上の結果、PDの発症にはADと共通の遺伝性素因の関わる機序が存在することが示唆された。また、優性遺伝性PDの原因は最も頻度の高い一般的な特発性PDの原因にはならないことが明らかになった。
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