研究課題/領域番号 |
09280231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 分子生物学, 教授 (90159129)
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研究分担者 |
古川 美子 愛知文教女子短期大学, 教授 (20219108)
新田 淳美 岐阜薬科大学, 分子生物学, 助手 (20275093)
野元 裕 岐阜薬科大学, 分子生物学, 講師 (80164747)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ニューロトロフィン / 脳由来神経栄養因子 / 脳 / 黒質 / 線状体 / 免疫組織染色 / in situハイブリダイゼーション |
研究概要 |
脳由来神経栄養因子(BDNF)によるラット黒質ドパミンニューロンの保護をめざした基礎的検討を行った。 1.ラット黒質、線状体におけるBDNF産生細胞の同定:抗BDNF抗体を用いて組織染色を行い、大脳皮質から線状体へ投射する線維束と線状体内の小型ニューロン、黒質ドパミンニューロンがBDNF陽性であること、cRNAプローブを用いたin situハイブリダイゼーションによって黒質ドパミンニューロンにBDNFmRNAが発現することを明らかにした。他の報告の結果を考え併せると、黒質ドパミンニューロンはBDNFを産生し自身で応答するほか、大脳皮質や視床から投射軸索内を線状体へと順行輸送されたBDNFが線状体から黒質ドパミンニューロン逆行輸送される経路があると考えられる。 2.ラット脳におけるBDNF産生の誘導:1.の成果より、黒質ドパミンニューロンと大脳皮質ニューロンで産生されたBDNFが黒質ドパミンニューロンの生存や機能に重要であると推定された。そこで、BDNFと同じくニューロトロフィンファミリーに属する神経成長因子の産生を促進する活性を有する低分子化合物として以前に我々が見い出した4-メチルカテコール(4-MC)を使って、新生ラット脳でのBDNF産生誘導を検討した。その結果、4-MCの単回投与1時間後に大脳皮質神経細胞層でBDNFmRNAの発現増加が、3時間後にBDNFタンパク質の増加がいずれも一過性に観察された。すなわち4-MCの末梢投与によって脳内BDNF産生をコントロールできることが判明した。黒質ドパミンニューロンの機能にどのような影響を及ぼすかが今後の検討課題である。
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