研究課題/領域番号 |
09281204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石橋 俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)
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研究分担者 |
大須賀 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 信博 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 動脈硬化 / プラーク / 細胞死 / アポトーシス / コレステロール / オキシステロール / 酸化LDL / Bcl-2 |
研究概要 |
プラークの形成に与る中心的細胞であるマクロファージについて、その細胞死の誘導物質の同定と、細胞死の回避を可能とする薬物的あるいは遺伝子操作について検討した。プラークに沈着するコレステロールは主にLDLに由来すると考えられた。そこで、LDLとその変性生成物であるアセチルLDLと酸化LDLとマクロファージ系株化細胞であるP388D1細胞とをインキュベートし、その細胞死を観察した。酸化LDLにアポトーシスの誘導が認められたが、LDLや、酸化LDLと同程度のコレステロール沈着を惹起するアセチルLDLにはアポトーシスの誘導は認められなかった。酸化LDL中のアポトーシス誘導原因物質を同定するために、7ケトコレステロールや25水酸化コレステロールなどのオキシステロールやリゾプォスファチジルコリン(LysoPC)について、アポトーシス誘導作用の有無を検討した。その結果、オキシステロール群に酸化LDLに匹敵するアポトーシス誘導作用が存在することが明かになった。次に、オキシステロールによって誘導されるアポトーシスが、アポトーシス抑制物質のひとつであるBc12を遺伝子導入により防御されるか否か、また、カスパーゼ3(CPP32)阻害剤で抑制されるかを検討した。Bcl2発現にもCPP32阻害剤にも、オキシステロールによる細胞死を抑制する作用が認められたが、その効果は弱く、特に、Bcl2発現をあたえた場合にはCPP32阻害剤は観察されなかった。以上のことから、プラークの細胞死においても酸化LDLの中のオキシステロールが重要な役割をはたし、Bcl2やカスパーゼ3を介する分子機構とは独立の機構の存在が強く示唆された。今後、これらの知見を踏まえて、動物モデルを作成する予定である。
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