研究課題/領域番号 |
09281208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 講師 (00215047)
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研究分担者 |
世古 義規 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240708)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 動脈硬化 / Id / Rb / Sp1 / CREB / Cキナーゼ / バルーン傷害 / 平滑筋細胞 |
研究概要 |
【目的】動脈硬化病変の成因として、多数の細胞増殖因子による、血管平滑筋細胞の活性化が重要である。ヘリックス ループ ヘリックスの構造をもつ転写調節因子Id2は、細胞周期の調節に重要なRbの遺伝子産物の機能を抑制し、細胞の増殖を促進する。そこで、血管平滑筋細胞の増殖機構を明らかにする目的で、Id2遺伝子の転写調節機序を解析した。【方法】ヒトId2遺伝子をクローン化し、ラット大動脈の培養血管平滑筋細胞へのトランスフェクションにより、プロモーター活性に重要なシスエレメント、およびトランス因子について解析した。また、ゲルシフトアッセイ法により、DNA結合蛋白の解析を行った。ラットのバルーン傷害モデルを作成し、免疫組織染色により、Id2の発現を検討した。【結果】 転写開始部位より1.3kbの5'隣接領域をLUCに連結したプラスミドのプロモーター活性は、血清およびCキナーゼを直接的に活性化するフォルボールエステル(PMA)により増加した。転写開始点から-150と+30の領域が血清およびPMAに対するプロモーター活性の増加に重要であった。血清およびPMAにて刺激した細胞から抽出した核蛋白では、無刺激のそれに比較し、Sp-1,CREB/ATFのDNA結合活性が明らかに増加した。また、酵母の転写因子Ga14のDNA結合ドメイン(DBD)とSp-1の融合蛋白を発現するベクターによる標的レポータープラスミドのプロモーター活性の増加は、PMA刺激によって有意に増加した。ラットのバルーン傷害モデルにて、Id2は新生内膜に著明に発現が検出された。【考察】バルーン傷害および培養血管平滑筋細胞の血清およびPMA刺激にて、Id2の発現が増加した。血清およびPMA刺激はId2プロモーターを活性化した。この機序には、Sp-1およびCREB/ATFのDNA結合活性の増加が重要である。Sp-1は構成的な遺伝子発現のみでなく、増殖刺激に対する遺伝子発現の誘導においても機能する。
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